文献情報
文献番号
200501005A
報告書区分
総括
研究課題名
働く人すべてに過重労働対策を含む産業保健サービスを提供するための諸条件の整備に関する研究
課題番号
H17-労働-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
東 敏昭(産業医科大学 産業生態科学研究所作業病態学)
研究分担者(所属機関)
- 武藤 孝司(獨協医科大学 公衆衛生学)
- 浜 民夫(長崎大学 環境科学部)
- 武田 和夫(京都工場保健会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
産業保健サービスの提供方法(提供組織、提供内容、提供時間)、コスト、人材、サービス効果(ビジネス性)からの実効性について、特に中小企業、小規模事業場で働く人に対して有効な過重労働等の課題にも対応した「持続可能」で良質な産業保健サービスの実現性を検証する。
研究方法
中小企業の産業保健サービスに本格的に取り組んでいる3つの機関を中心に、提供サービスの内容、サービスを実施する人材(職能)、コスト、依頼者からの契約動機についてのフィールド調査・解析を行う。
また、コスト分析、適正な企業負担、労働者一人当たりのコスト、健康診断など他のサービスへの対価との相殺の意義、持続可能性についての検討を行う。この一環として、参考事例として産業保健サービスカバー率の高い欧州諸国の実態、経営的基盤ならびに課題について各国の識者および機関を対象に調査を併せて実施する。
また、コスト分析、適正な企業負担、労働者一人当たりのコスト、健康診断など他のサービスへの対価との相殺の意義、持続可能性についての検討を行う。この一環として、参考事例として産業保健サービスカバー率の高い欧州諸国の実態、経営的基盤ならびに課題について各国の識者および機関を対象に調査を併せて実施する。
結果と考察
「少子高齢化」、「二極化社会:格差社会」の中で、高年齢者の就業を支援する仕組み、働く出産年齢女性の支援、従来のように企業規模という割り切りでなく雇用形態の多様化への対応、健康格差社会防止に必要なサービスが整理された。
過重労働・メンタルヘルス対策では、健康指標の開発、健康情報の活用による効果の評価、テイラーメードのメニュー提供を可能とする企業内外の資源整備などが期待される。中小規模の事業場では、OSHMSへの取り組みはこれからであり、健康問題の専門家による実効ある支援が必要。
中小企業において必要とされるサービスの時間的、経済的負担の状況を把握し、コアとなるサービスの内容について提示。企業外労働衛生機関が中小企業の産業保健の担い手として大きな存在であること、業種によるメリハリをつけた具体的なサービスの効果を提示することが重要であること、コストの制約が課題である。
過重労働・メンタルヘルス対策では、健康指標の開発、健康情報の活用による効果の評価、テイラーメードのメニュー提供を可能とする企業内外の資源整備などが期待される。中小規模の事業場では、OSHMSへの取り組みはこれからであり、健康問題の専門家による実効ある支援が必要。
中小企業において必要とされるサービスの時間的、経済的負担の状況を把握し、コアとなるサービスの内容について提示。企業外労働衛生機関が中小企業の産業保健の担い手として大きな存在であること、業種によるメリハリをつけた具体的なサービスの効果を提示することが重要であること、コストの制約が課題である。
結論
本研究では(1)産業保健サービスのアウトソーシングの具体性を評価、(2)サービス提供方法では、企業を対象から個人へのサービスへシフトの確認、(3)エビデンスに依拠して提供されるべきサービス、顧客が求めるものを提供するための体系の変更、(4)過重労働、メンタルヘルスに関するサービスでは、より多くの機関(人材の育成を含む)の関与とコストに対する手当ての現実性、(5)ICT(Information and communication technology)技術とコンビニなどの社会インフラを用いた新たな個人型サービスの提供例(フェニックスプロジェクト)を提示、を行った。
公開日・更新日
公開日
2007-06-22
更新日
-