文献情報
文献番号
200500998A
報告書区分
総括
研究課題名
職場における腰痛防止の為の作業姿勢負担評価チェックリストの開発
課題番号
H16-労働-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
神代 雅晴(産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 泉 博之(産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室)
- 戸上 英憲(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
- 橋本 正浩(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
- 佐藤 教昭(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
- 舟橋 敦(マツダ健康推進センター)
- 金 一成(トヨタ記念病院メディカルサポート部)
- 赤津 順一((株)日立製作所日立健康管理センター)
- 藤井 敦成(富士重工業株式会社群馬製作所大泉工場診療所)
- 鈴木 一心(アイシン・エイ・ダブリュ株式会社)
- 三廻部 肇(日産自動車健康保険組合追浜地区診療所)
- 赤築 秀一郎(ダイキン工業株式会社滋賀製作所)
- 鈴木 秀樹(大同メタル工業(株)健康推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,640,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、職場で発症する腰痛の原因となる様々な腰痛発生リスク要因の中から正常な腰部にかかる慢性的な異常ストレス(主として、不良作業姿勢)を取り上げ、それに起因する腰痛発生リスクの低減を目的とした作業姿勢負担評価チェックリストの開発である。本研究年度は、研究期間2年間のうちの2年目である。
研究方法
前年度行った(1)姿勢そのものが腰部に与える影響および(2)職場における腰痛発症要因への暴露状況の研究結果と本研究モデルに基づいた質問紙を作成した。本質問紙は、腰痛の重症度評価、作業姿勢や動作、作業環境、運動歴や既往歴などの個人要因、ストレスなどに関する項目からなり、研究分担者が産業医として勤務する企業に従事する作業者約5000人を対象として実施した。この調査結果を用いて、職場における腰痛の発生状況を作業姿勢などの腰痛発症主要因と作業環境などの潜在要因とを比較検討した後に、より多面的かつ定量的な作業姿勢負担評価チェックリストを完成させた。
結果と考察
職場における腰痛発症・重症化に影響を与える要因としては、①繰り返し性、②作業姿勢、③取り扱い重量、④姿勢保持、⑤作業速度、⑥押し引き動作、⑦作業環境などがある。これらの要因には単独でも腰痛を発症させるほどのリスク影響度を持つものもあるが、これらの要因が重なった場合に腰痛発症の危険度が増悪することが認められた。特に繰り返し性の多い組み立て作業に従事する作業者において、複合要因が腰痛の発症ならびに重症化を高めることが判明した。以上の如く、複合要因の組合せと腰痛発症リスク度の関連性を定量的に評価した結果、より多面的で定量的な“職場における腰痛防止のための作業姿勢負担チェックリスト”を作成することができた。
本チェックリストは、腰痛発症率の低減目標を掲げてチェック項目、チェック内容を改編できるようにした。今後解決すべき点は、解析に使用された職種は、比較的短周期の作業繰り返し性を有する職種が中心となっているため、長周期あるいは繰り返し性を有しない職種の評価を行う必要がある。
本チェックリストは、腰痛発症率の低減目標を掲げてチェック項目、チェック内容を改編できるようにした。今後解決すべき点は、解析に使用された職種は、比較的短周期の作業繰り返し性を有する職種が中心となっているため、長周期あるいは繰り返し性を有しない職種の評価を行う必要がある。
結論
本研究で目標とした“職場における腰痛防止のための作業姿勢負担チェックリスト”を作成することができた。今後は、職種の拡大とデータ追加による精度向上を行う必要がある。
公開日・更新日
公開日
2007-06-22
更新日
-