医療のトレーサビリティ向上に寄与する電子カルテシステム等の開発と管理に関する研究

文献情報

文献番号
200501384A
報告書区分
総括
研究課題名
医療のトレーサビリティ向上に寄与する電子カルテシステム等の開発と管理に関する研究
課題番号
H17-医療-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
名和 肇(東京医科大学 医療情報学講座/総合情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 昌範(東京医科大学 医療情報学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療安全を確保するために、従来行われてきた「物の安全」のみならず、「使用の安全」の観点からの対策を行うことが急務である。医療資材(医薬品・医療資材)を対象に、バーコードや電子タグを利用する場合の費用面、適合性等について医薬品、メーカー、流通業者、医療施設の観点から調査を行うと共に、実施するために克服すべき課題を明らかにする。
研究方法
医療資材にITを活用して識別するための手段として、バーコードや電子タグを対象とし、これらを利用するために、まず製薬企業における製造段階、流通段階、医療機関内での物流および患者への適用の核場面において、どのようなコンテンツがどのような粒度で必要なのかの検討を行う。
結果と考察
製造する工場内では、各医薬品や医療材料が、1つ1つ単品で管理されていた。また、出荷時に、ロット単位で管理され、製造から出荷時まで、ロット単位のバリデーションが行われていることが分かった。しかし、出荷後はその流通過程で、分解、集合が繰り返されており、その経路が複雑になっており、製造工場から出荷後には、最終卸まで製品が複数のルートで流通していることが明らかになった。また、医療機関内でも、薬剤部や中央管理部門から、病棟や手術室、各部門などに、複雑なやり取りが行われていた。その原因は、前日までの予定オーダの4分の1以上が変更されていることにあると思われた。すなわち、サプライチェーンの観点から検討すると、それぞれの部署で、その利用法毎(ユースケース毎)に、取り扱う情報の単位(粒度)が違うが、その点が情報システムに考慮されていないことが明らかになった。
結論
トレーサビリティの観点から医薬品や医療材料の流通情報管理の実態を製造、流通、医療機関各々で、現状、問題点、今後の見通しにつき、調査研究した。その結果、出荷後はその流通過程で、分解、集合が繰り返されており、その経路が複雑になっており、製造工場から出荷後には、最終卸まで製品が複数のルートで流通していることが明らかになった。また、医療機関内でも複雑なやり取りが行われていた。その原因は、前日までの予定オーダの4分の1以上が変更されていることにあると思われた。すなわち、サプライチェーンの観点から検討すると、それぞれの部署で、その利用法毎(ユースケース毎)に、取り扱う情報の単位(粒度)が違うが、その点が情報システムに考慮されていないことが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2008-07-07
更新日
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