歯科技工士資格試験の全国統一化に向けた実践的研究

文献情報

文献番号
200501359A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科技工士資格試験の全国統一化に向けた実践的研究
課題番号
H17-医療-049
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
末瀬 一彦(大阪歯科大学歯科技工士専門学校)
研究分担者(所属機関)
  • 田上 順次(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 尾崎 順男(日本歯科大学東京短期大学)
  • 福間 正泰(大阪歯科学院専門学校)
  • 杉上 圭三(大阪歯科大学歯科技工士専門学校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
資格試験は歯科技工士としての基礎的知識と技能を推し量るもので、国家試験として相応しい実施方法と出題内容によって行われるべきであるが、現状は実施時期、試験時間、試験料、出題内容出題形式あるいは実地試験における使用器材などが異なり、国家試験としては公平性に欠ける。 
日本国内のいかなる場所、いかなるときにおいても良質な歯科医療サービスを国民に安定的、効率的に提供するためには資格試験を統一化し、精度の高い客観的評価必要である。そこで、これまでに行ってきた学説試験および実地試験を具現化し、全国レベルでの実施の可能性および採点評価にについて検討するために本研究を行う。
研究方法
平成14年度厚生労働科学研究で具現化した学説試験および実地試験出題科目および課題について、研究分担者ならびに研究協力者によって問題作成を行った。全国の歯科技工士養成機関から10校抽出し、367名の受験者を対象に模擬的資格試験を厳正に実施した。なお、実施場所は当該各養成機関とした。ほぼ同一時期に試験を実施し、終了後直ちに回収し、学説試験は成績管理システムによって成績分析を行った。実地試験については平成15年度厚生労働科学研究で評価能力の高い評価者群の6名の評価者によって概略的評価を行い、不合格者についてはさらに、平成16年度厚生労働科学研究で用いた三次元シミュレーションシステムにおいて計測し、ニューラルネットワーク分析を行った。
結果と考察
成績管理システムによって得られた学説試験成績について分析を行った結果、不適切な問題はほとんど見られず、総合点の平均点は65.4点、各学科目の平均点は60点前後であった。50%以上の成績を取得した受験者は87.7%であった。受験者の平素の学内成績とほぼ相関していた。実地試験において、各評価者の概略的評価は正規性を示したが、評価者間の相関性は低かった。実地試験の2課題の成績においてほぼ相関性が認められた。評価者による概略的評価において不合格作品を三次元計測した結果、ニューラルネットワークモデルで得られ予測値との間には大きな平均誤差が生じたが、三次元計測において不合格の作品は平成16年度のモデルをもとに正しく推定されていた。学説試験と実地試験の成績における構造的特徴から学説試験と実地試験は別々に評価する必要性が示された。学説試験および実地試験において三年制養成機関は、二年制養成機関に比べ有意に高い成績を示した。
結論
歯科技工士資格試験の全国統一試験の実施にあたって、学説試験問題作成、実地試験用模型の製作、配布方法、試験管理・運営・評価方法などにおいて問題なく実施可能であった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501359C