医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501357A
報告書区分
総括
研究課題名
医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究
課題番号
H17-医療-047
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修平((社)全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 西澤 寛俊((社)全日本病院協会 )
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 永井 庸次((株)日立製作所水戸総合病院)
  • 成松 亮(保健医療福祉情報システム工業会)
  • 小谷野 圭子(練馬総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、昨年度までの研究の成果である中規模医療機関における業務フローモデルをもとに、医療の質および安全性の向上に資する病院統合情報システムの機能を研究する。
研究方法
本研究では、重大な医療事故が最も多い薬剤業務と、情報システム化が遅れている手術部門の業務を主な対象とした。そのため、今年度は、昨年度までに行った診療部門、病棟部門を中心とした中規模医療機関の業務フローモデルに薬剤部門と手術部門内部の業務プロセスを加え、以下の手順で業務フローモデルの開発を行った。
①医療機関の実務担当者からの聞き取りによる現状の業務フローモデルの素案の開発
②複数の医療機関による素案の妥当性の評価と見直し
③見直した業務フローモデルに対応する情報システム導入時の業務フローモデルの開発
今年度は、薬剤部門に関して上記①?③を、手術部門に関して①と②の段階を実施した。
結果と考察
これらの方法により、次のような業務フローモデルが得られた。
(1)薬剤部門
  ・現状の業務フローモデル        :13プロセス
  ・情報システム導入時の業務フローモデル :12プロセス
(2)手術部門
  ・現状の業務フローモデル        :16プロセス
  ・情報システム導入時の業務フローモデル :次年度開発
 これらの業務フローモデルの開発においては、各部門における各職員の役割および行動を中心に全体像を把握することを主眼において記述した。しかし、安全性の視点から評価・分析するためには、各行動の裏に隠れている危険性を記述し分析する必要があり、分析作業の中で逐次詳細化していくことが必要である。
手術部門の業務プロセスのうち、手術実施プロセスに関しては、執刀医、麻酔医をはじめとする手術スタッフ間の連携ならびにコミュニケーションの業務プロセスについて記述している。手術中の安全確保の視点からは、これに加えて執刀医等の術中の施術プロセスの分析が必要である。しかし、このプロセスは性質上、患者や手術対象部位の状態による分岐が多く、表現方法が難しいため、別に取り上げて検討を進めることとした。
結論
 以下に関して、一般の業務フローモデルに対して一段細かいレベルの記述方法の開発が必要であり、引き続きその検討を行う。
①質および安全性検討のための、より粒度の細かいアクティビティの記述に関する検討
②医師の施術に関する記述方法の開発

公開日・更新日

公開日
2006-10-03
更新日
-