胃潰瘍診療ガイドラインの適用と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501350A
報告書区分
総括
研究課題名
胃潰瘍診療ガイドラインの適用と評価に関する研究
課題番号
H17-医療-040
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 健太郎(自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 浅香 正博(北海道大学大学院消化器内科)
  • 井口 秀人(医仁会武田総合病院消化器センター)
  • 上村 直実(国立国際医療センター内視鏡部)
  • 太田 慎一(埼玉医科大学消化器・肝臓内科)
  • 高木 敦司(東海大学内科学系総合内科学)
  • 高橋 信一(杏林大学医学部第三内科)
  • 千葉 勉(京都大学大学院消化器内科学)
  • 春間 賢(川崎医科大学内科学)
  • 平石 秀幸(獨協医科大学消化器内科学)
  • 藤岡 利生(大分大学医学部総合診療部)
  • 水野 元夫(広島市民病院内視鏡科)
  • 森實 敏夫(神奈川歯科大学内科学)
  • 芳野 純治(藤田保健衛生大学)
  • 佐藤 貴一(自治医科大学内科学講座消化器内科学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は診療ガイドラインのもたらす実地臨床の診療行動、患者満足度、医療経済的効果を評価する研究である。EBMに基づいた診療をわが国に定着するためには、その手法に基づいて作成された診療ガイドラインが現実に使用され、前述の指標に基づいて評価されるとともに、実際に使用された場合の問題点や阻害因子を明確にし改良していく努力がなされなければならない。本研究の目的は、平成12、13年度厚生科研費助成により作成された胃潰瘍診療ガイドラインの実態調査を行うとともに、ガイドライン策定以降のエビデンスおよび前回遺漏のあった文献について再検索を行い、より完全なエビデンスデータベースに基づいた改定のための基礎作業を行うことである。
研究方法
本研究はすでに作成した胃潰瘍診療ガイドラインの評価ならびに改定が中心となるため、現行のガイドライン作成に関わった研究者と一線病院勤務医で研究班を組織した。班会議で現行の胃潰瘍診療ガイドラインの問題点、補足すべき事項、改定ガイドライン作成基本方針、文献採用基準等、アンケート調査の内容について検討、決定したアンケートを班員の各施設に依頼し胃潰瘍診療ガイドラインに対する実態調査を行うとともに、改定のための再現可能な系統的文献検索を行い、各分担研究者による文献選択、収集エビデンス評価を行った。
結果と考察
班員の各施設に勤務する医師から、合計313件の調査票が集められたがまだ未提出の分担研究者があり、さらに調査件数を増加してから詳細な解析を行う予定である。エビデンスデータベースの構築に関しては、医学中央雑誌、Mediline、Cochrane Libraryをデータベースとして2005年までの文献検索を行った。その結果欧文1810件、和文748件、Cochrane Library 19の文献検索を行い採用基準に従って分担研究者が採択評価し、その結果をエビデンスデータベースフォーマットに従ってデータベース化した。
結論
アンケートによる臨床現場での実態調査に関してはアンケートの回収、集計も途中であり、結果解析には至っていない。また、アンケートの対象者が医療従事者サイドのみであるため、今後患者サイドからの実態調査も必要であろう。さらに胃潰瘍診療ガイドラインの実効性を阻害している保険診療上の問題点を明らかにするための実地調査も必要と考える。エビデンスデータベースの追加作業は分析作業も順調に進み勧告の原案が各分担研究者から報告されている。今年度の結果を踏まえ、よりわかりやすく実際に役立つ新しいエビデンスに基づいた胃潰瘍診療ガイドラインの作成(改定)を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-05-19
更新日
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