医療VPNとPKIを併用した安全な医療情報交換インフラの構築と運用に関する研究

文献情報

文献番号
200501335A
報告書区分
総括
研究課題名
医療VPNとPKIを併用した安全な医療情報交換インフラの構築と運用に関する研究
課題番号
H17-医療-024
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
木内 貴弘(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 廣川 博之(旭川医科大学附属病院)
  • 辰巳 治之(札幌医科大学)
  • 原  量宏(香川大学医学部附属病院)
  • 井上 裕二(山口大学医学部附属病院)
  • 中島 直樹(九州大学医学部附属病院)
  • 末永 貴俊(熊本大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療分野におけるIT化の推進のためには、ネットワークを介して、医療情報を安価に安全に交換するための技術と運用管理法の確立が絶対に必要である。本研究の目的は、「施設認証にもとづく医療VPN」と「個人認証にもとづくPKI」の併用方式による、運用が容易で安全な医療情報交換基盤の構築と運用管理法の提案にある。
研究方法
本研究で開発・運用するシステムの企画・設計、及び各地域ネットワークでの運用形態・活用するアプリケーション等について、各主任・分担研究者が事前作成した資料を元に全員で検討を行った。上記の検討をもとに、平成17年度は、次年度以降の研究のために必要なソフトの開発を行った。
結果と考察
PKIについては、参加研究者のサイトにWebベースで使えるCA、及び1台で多数の端末から使用でき、汎用性も高く、柔軟な利用が可能な暗号電子メール対応のWebメールシステムを開発した。またこれまでに構築してきた医療VPNインフラを活用し、やりとりされる情報のハッシュ値を電子署名付きで記録するシステムをこれに追加した。実験予定のアプリケーションについては、各地域医療ネットワークの実情にもとづき、病診連携、遠隔医療等が挙げられた。
医療VPNとPKIを併用することによって、(1)通信先の追跡可能性の向上、(2)複数の暗号方式の組み合わせによるセキュリティ強化、(3)相互のフェイルセーフ機能等の実現が可能であり、セキュリティの一層の向上が期待できる。従って、両者を併用することによって、PKI運用上の煩雑さを軽減しつつ、一定レベルの安全性を確保することが可能であり、全体としての運用コストと労力の削減が期待できる。またやりとりする情報のハッシュを記録することによって、当該情報の追跡可能性が向上し、医療VPNの安全性が高まることが期待される。本研究の成果により、安価で安全な医療情報交換のための新しい技術・方法論の構築が期待できる。
結論
医療VPNとPKIの併用によって、安いコストで、安全性の高い医療情報交換が可能になると考えられる。平成17年度は、上記の運用実験をするための準備として、(1)PKIを利用した通信ツール、(2)公開鍵認証局(CA)、(3)医療VPN内交信記録システムの開発と、(4)各地域医療ネットワークにおける運用法とアプリケーションの検討を行った。

公開日・更新日

公開日
2007-10-12
更新日
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