国家試験プール制に向けての問題作成・入力システム開発―インターネットを利用した方法についての検討―

文献情報

文献番号
200501331A
報告書区分
総括
研究課題名
国家試験プール制に向けての問題作成・入力システム開発―インターネットを利用した方法についての検討―
課題番号
H17-医療-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
森田 学(北海道大学大学院歯学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小口 春久(日本歯科大学共同利用研究センター)
  • 久光 久(昭和大学歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師・歯科医師国家試験のプール制(試験問題をあらかじめ蓄えておく方式)への移行については、医師国家試験改善検討委員会及び歯科医師国家試験制度改善委員会によって従前から提唱されている。本研究では、試験問題の集約方法を効率化させることを目的に、インターネットの利用可能性について検討し、その集約システムを開発することとした。
研究方法
インターネットを介して試験問題を送るための、ハード面におけるシステム整備を行った。システムの概要は問題登録サーバー機能の整備と問題登録アプリケーション開発である。次に、問題作成者がそれぞれの問題についての質をチェックするためのチェック項目を決定するために、全国の試験委員98名を対象にアンケート調査を実施した。
結果と考察
本システムにおける処理の流れは以下の通りとなった。①問題作成者がサーバーにログインする。② 入力ソフトウェアを自分のコンピューターにダウンロードする。③ 問題を作成する。④ 入力した問題(データ)をサーバーにアップロードする。⑤ サーバーに登録された問題を取り出し、データベース化する。また、一連の操作の過程でコンピューター上に現れる画面構成は可及的にシンプルなものとした。これらのシステムの流れ、画面構成は試験作成者側には操作しやすく、かつ管理者側にも管理しやすいように構成されているものと推察できる。反面、このシステムでは、作成した問題を作成者側のコンピューターに一時的に登録させなくてはならず、その間での情報漏洩について個人の責任に委ねるところが多いという欠点がある。
98名の委員にアンケート調査票を配布したところ70名(71%)の委員から回答を得た。チェックリストの項目として重要であると答えられたのが多かったものは、「SBO(行動目標)が明確か」、「学説や解釈により意見が分かれていないか、「各選択肢の重みや範疇が適切か」、「ナンセンスな選択肢はないか」、「歯科医師国家試験として出題が妥当な典型的な画像・症例か」、「視覚素材の中に情報や個人情報が特定される部位がないか」、「視覚素材が講義、論文、講演、シンポジウムなどに使われていないか」などであった。
結論
本システムの情報漏れの防止(セキュリティ)を徹底し、アンケートで指摘されたチェックリスト項目を画面に挿入することで、今後の実用性が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
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