メディカルコントロール体制の充実強化に関する研究

文献情報

文献番号
200501324A
報告書区分
総括
研究課題名
メディカルコントロール体制の充実強化に関する研究
課題番号
H17-医療-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学救急医学教室高度救命救急センター)
研究分担者(所属機関)
  • 浅井 康文(札幌医科大学付属病院救急集中治療部)
  • 滝口 雅博(健康保険青森健康管理センター)
  • 田中 秀治(国士舘大学体育学部、国士舘大学大学院救急医学)
  • 野口  宏(愛知医科大学高度救命救急センター)
  • 石井  昇(神戸大学医学部附属病院救急部)
  • 谷川 攻一(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 郡山 一明(救急振興財団救急救命九州研修所)
  • 高山 隼人(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター救命救急センター)
  • 吉田 竜介(日本医科大学救急医学教室高度救命救急センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年の救急救命士の業務拡大に際して、より一層のメディカルコントロール(以下MC)体制の充実が必要。各都道府県のMC体制の活動は各地域の実情にて取組に格差あり。また特に事後検証体制や指導医、救急救命士の技能向上の為の教育体制等については標準的なものが定められていないことも地域格差の原因と考えられるため、これらの原因抽出と方策を目的とする。
研究方法
 各分担研究者および行政関連部局の担当者から得られた情報を共有し会議形式の議論を行った。また各分担研究者に研究課題を割り振り、各々の地域や各自の専門分野における情報をもとに、問題点の抽出とそれに対する方策立案を課題とした。(事後検証体制、救急救命士教育体制、救急隊指導医教育体制、救急活動基準の見直し、市民による自動体外式除細動器使用の効果検証、on-line MCの評価等、救急救命士養成所からみたMCの意義)
結果と考察
 事後検証については中核医療機関の医師と代表消防機関の救急救命士からなるワーキンググループを設置し、地区医師検証からあげられた事例を二重チェックすることによって検証の質を担保する体制が提案された。
 救急救命士の卒後研修は、卒後128時間の研修とは別個に生涯教育としてのカリキュラムを考慮する。そしてその達成度の評価や再教育を勧告をするための機構も構築する。
 救急隊指導医の教育体制は、(1) MC医の初期・継続研修体制の確立 (2) MC医の資格要件の再考 (3) MC医の全国的学術集会の開催 
 市民におけるAEDの効果測定では、個人データの取り扱いに留意し、事業所に設置されたAEDの管理については産業医への教育を考慮する。
 オンラインMCでは、(1) MC体制へ貢献する人材の確保 (2) 恒常的な予算確保 (3) 地域MC協議会の圏域の見直し
 救急救命士養成所における教育者からみたMC体制の視点では、活動基準作成では平成16年3月に救急振興財団によって作成された基準を参照し、そして恒常的な訓練ではシミュレーション訓練(特にマネキン・シミュレータ等を用いて)の施行が重要。
結論
 システムを横断的に鳥瞰し管理する権限をもったメディカルディレクター(MD:medical director)擁立の検討も必要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-03
更新日
-