災害時医療体制の整備促進に関する研究

文献情報

文献番号
200501323A
報告書区分
総括
研究課題名
災害時医療体制の整備促進に関する研究
課題番号
H17-医療-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
辺見 弘(国立病院機構災害医療センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DMATが災害発生急性期に、実効性ある活動が展開出来るようになるために解決しておくべき課題の検討と解決の方向性を作ること。
研究方法
1)全体班会議の実施年3回
2)DMAT運用指針小委員会、広域災害救急情報システム(EMIS)のDMAT運用小委員会、隊員養成研修会と隊員登録小委員会、被災地内DMAT本部の指揮命令、通信整備小委員会を開催した。
3)内閣府・千葉県総合防災訓練(平成17年9月1日)におけるSCU活動計画、機内活動計画の立案とDVDの複製配布による啓蒙活動。
4)DMAT指定医療施設説明会議による活動指針の周知
5)医療計画における災害医療タスクフォース(TF)、病院の脆弱性評価と対応TF、国際緊急援助隊との連携のためのTF。
結果と考察
現在、政府/内閣府が関係省庁と連携して南関東、東海地震、関東直下、南海東南海地震に対する体制整備を進めている。いち早く(1-2時間以内)空港に参集し、重症傷病者の航空搬送に際し、広域搬送拠点や航空機内での医療を提供する医療チームの編成が、厚生労働省に求められた。このような状況を踏まえ、広域災害発生時、超急性期に災害現場に派遣され、災害時救命医療を提供する災害時派遣医療チーム(DMAT)の編成/整備が進行中である。
 この活動のためには、派遣される医療チームの高い能力/資質が求められるとともに、運用について事前に十分に検討する必要がある。本研究班では、DMAT運用における問題点と課題を抽出し、DMAT活動計画指針(案)としてまとめた。第二に、広域災害救急情報システム(EMIS)と連動したDMAT運用についての基礎研究を行い内容や運用方法を決定した。 第三に、被災地内でのDMAT指揮命令・通信系統を確立するために衛星携帯電話に加え、MC無線、FM無線の導入に関する諸問題を検討した。第四にDMAT隊員養成研修会の質を確保する目的に、「DMAT研修会の質の確保のための評価指標」「DMAT研修規定」を作成した。第五にDMATの意義、活動内容や広域医療搬送について市民、医療関係者、都道府県行政職や消防警察関係者、政府行政職や自衛隊・海上保安庁関係者などに啓蒙する目的にパンフレット、DVDを作成し配布した。
結論
引き続き、未解決のDMATの運用の諸問題(具体的の計画(例えば東海地震モデルの作成)、他省庁との連携、指揮命令通信の確立、兵站の諸問題、都道府県における運用の課題、活動費用支弁や隊員の災害補償)広域医療搬送計画、広域災害救急情報システムのあり方について検討の必要がある。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
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