へき地医療体制の充実及び評価に関する研究-山形県における実践的試み-

文献情報

文献番号
200501320A
報告書区分
総括
研究課題名
へき地医療体制の充実及び評価に関する研究-山形県における実践的試み-
課題番号
H17-医療-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
清水 博(山形大学大学院 医学系研究科 医療政策学)
研究分担者(所属機関)
  • 嘉山 孝正(山形大学大学院 医学系研究科 神経機能再生学 )
  • 長谷川 敏彦(国立保健医療科学院 政策科学部)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学大学院 医療政策学)
  • 中村 孝夫(山形大学大学院 医学系研究科 生命情報工学)
  • 叶谷 由佳(山形大学医学部 地域看護学科)
  • 船田 孝夫(山形大学大学院 医学系研究科 医療政策学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,226,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
9つの無医地区を有する山形県では、地理的な条件を踏まえ、医師・看護師等のマンパワー及び医療機器の偏在の是正等による地域(へき地を含む)医療の充実が大きな課題である。我々の研究は、これらに関する科学的データを収集・解析し、客観的に評価し、県内の地域(へき地を含む)医療の充実に寄与するとともに、全国的なモデル事業を提案することを目的とする。
研究方法
1 船田分担研究者及び清水主任研究者らが中心となって、平成17年1月?2月に行った「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係る現状調査」をもとに、山形県の医療提供体制の地域特性に関する解析を、以下の通り行った。
① 山形県民の病院に対する近接性と公平性に関する研究
② 山形県の高額医療機器の配置に関する研究
③ 山形県の急性期病院における医師給与に関する研究
2 平成18年3月に、山形県内の市町村立診療所に勤務する医師及び看護師等1,612人を対象にアンケート調査を行った。
3 山形県の3地域(最上、置賜、庄内)の中核的な病院を訪問し、地域医療の現状及び問題点等について実態調査を行った。
結果と考察
○ 方法1の①では、病床規模別に各市町村中心から400床以上の医療機関へのアクセス時間を見ると平均25.8分で、60分以内に県内の殆どの住民が受診できることが分かった。
○ 1の②では、県内急性期病院の常勤医給料は、医療圏、医師一人当りの仕事負荷量と有意な関連があった。
○ 1の③では、52種類の医療機器について解析し、1台当りの患者数と実施件数の間に強い正の相関を認めたのはCT、上部消化管及び尿路内視鏡であった。
○ 2について、平成18年3月31日現在、アンケートの配布数及び回収率は医療機関の長31,38.7%、医師・歯科医師78,50.0%,看護職335,68.4%、都市部の医師・歯科医師924,35.4%、看護科学生244,69.7%であった。現在、これらについて解析中である。
結論
平成17度は4回の研究班会議の開催と、3地域への現地調査及び地域(へき地を含む)医療機関へのアンケート調査を行い、777の回答があり、現在解析中である。また、既存調査を活用した山形県内の医療提供体制に関する解析については、上記の通りであるが、平成18年度は、山形県内4地域における医師及び医療機器の適正配置について詳細な解析を行うこととしている。

公開日・更新日

公開日
2008-04-03
更新日
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