診療ガイドライン構築支援システムの開発研究

文献情報

文献番号
200501309A
報告書区分
総括
研究課題名
診療ガイドライン構築支援システムの開発研究
課題番号
H16-医療-044
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 均((財)国際医学情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 森實 敏夫(神奈川歯科大学内科学教室)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学医学部医療政策管理学教室)
  • 鈴木 博道((財)国際医学情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成17年度の目的は、16年度成果の一層の充実化に努めると同時に、診療ガイドライン開発支援ソフトウェアの開発に目処をつけ、準備の完了したものについての公開を実現することである。
研究方法
診療ガイドライン(以下「CPG (Clinical Practice Guideline)」開発支援に関する有益な情報提示、CPG開発支援ソフトウェア開発のためには、これまでの既存CPGに関する検討分析を進め、標準化と省力化とを指向するガイドライン開発手法の検証・確立を心がけた。諸外国のCPG開発状況を把握するために、現地調査も含めて、英国、スコットランド、フランスなどの調査を実施した。同時に、英国NICEからCPG開発を行っている森臨太郎先生を日本に招へいし、NICEガイドライン開発の実態と課題などに関するより詳細な実情把握を行った。
国内の診療ガイドライン収集を続け、諸外国のものとの比較検討も実施した。こうして得られた情報をガイドライン普及に繋げるべく、第25回医療情報学連合大会の場で、「診療ガイドライン:開発の方法論、課題と問題点」と題するシンポジウムも開催、研究成果の公開とガイドライン開発方法論の普及に努めた。CPG開発経験者同志の横の連絡と意見交換などのために、講演会・会合など、都合5回開催した。
結果と考察
国内外のガイドライン開発とその成果に関する実情を横並びに比較検討した結果、それぞれのCPG、CPG開発で抱える課題の共通性が浮き彫りとなった。同時に、予め想定し、この間実際に開発に関わったいくつかのガイドラインの開発手法には大きな問題が無いことも明白となった。これをベースにした、Web版のCPG開発支援ソフトウェアの設計と部分的試作を行った。同時に、これまでスタンドアローン・タイプで活用を図ってきているファイルメーカーによるプログラム「アブストラクトフォーム作成アシスタント」を、順次、Web対応とする方向性を固め実施した。後者については、新たにCPG開発が開始されている腎がんや変形性股関節症で試用している。
結論
当初の予定に対して多少の路線変更とスケジュールの見直しがあったものの、開発研究は順調に進み、今後はその評価が必要とされている。また、普及方策も検討・実施を試み、如何にして標準化の方向に進められるか課題である。このためには、これまで同様、現実のガイドライン開発状況の把握を続けて行くことも緊要である。

公開日・更新日

公開日
2006-10-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200501309B
報告書区分
総合
研究課題名
診療ガイドライン構築支援システムの開発研究
課題番号
H16-医療-044
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 均((財)国際医学情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 森實 敏夫(神奈川歯科大学内科学教室)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学医療政策管理学教室)
  • 鈴木 博道((財)国際医学情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
診療ガイドライン(以下「CPG (Clinical Practice Guideline)」は、利用者は複数を見て利用するものの、開発担当の臨床医にとっては初めての経験であることが多い。EBMの考え方に基づくCPG開発担当の医師に対して、参考情報を迅速に入手でき、開発支援のツールを提供することは、良質のCPG開発を促進することとなる。
研究方法
国内外の、EBMの考え方に基づくCPGとその開発に関する参考情報や成果物としてのCPGを調査・収集し、比較・検討・評価し、重要なものは翻訳・抄訳し、インターネットから公開する。同時に、CPG開発に役立つツール、開発支援ソフトウェアやテンプレートその他も開発し、同様に公開する。
この過程で、CPG開発の現状を把握するために、海外の状況も調査し、アンケート・ヒヤリングも交えて、CPG開発手法の妥当性も検討した。
結果と考察
国内外のCPG開発とその成果を収集・分析し、国内の状況とも比較した。グローバル・スタンダードにも合致する様なCPGは国内では未だ限られていることが明らかとなった。これまでのCPG開発支援活動の中で提供を求められてきた事項などを中心に、諸外国のCPG開発手法に関する情報などを収集・整理し、公開 (http://www.ebmguideline.com http://www.ebmguideline.jp) した。
これまでのCPG開発支援で活用されてきている開発支援ソフトウェアの仕様を再検討し、プロトタイプを同じサイトから提供すると同時に、新たなWeb対応版を開発した。
アンケート・ヒヤリングなどからも、情報提供は一定の評価を受けていることが判明した。
結論
今後、新たに開発したWeb対応のCPG開発支援ソフトウェアなど、実際のCPG開発で試用し評価し、改良を重ねることが必要であろう。また、2年間の研究の過程で、出来上がったCPGについて容易に知りうる、使いうる環境が求められていること、CPG開発段階でのFAQ作成が期待されていることから、今後の課題と考えている。

公開日・更新日

公開日
2009-03-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501309C