医療の質の向上、効率化の為の先進的IT技術に関する研究

文献情報

文献番号
200501296A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質の向上、効率化の為の先進的IT技術に関する研究
課題番号
H16-医療-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
田中 博(東京医科歯科大学難治性疾患研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 村井 純(慶応義塾大環境情報学部兼政策・メディア研究科)
  • 辰巳 治之(札幌医大大学院 生体情報形態学)
  • 秋山 昌範(東京医科大学 医療情報学講座)
  • 野川 裕記(東京医科大学 医科学情報センター)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部大学病院)
  • 永田 宏(特定非営利活動法人 日本医療情報ネットワーク協会)
  • 三谷 博明(特定非営利活動法人日本インターネット医療協議会)
  • 楠岡 英雄(国立病院機構 大阪医療センター)
  • 大江 洋介(真生会山藤医院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
12,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、インターネットを用いた医療の質の向上および効率化である。そのために以下の3種類の研究を行う。1)、医療情報のインフラとしてのインターネットのあり方を提案、実証実験を行う。2)、次世代インターネット上に、基礎研究から臨床応用までの医学研究を乗せる。3)、徹底した情報化による理想的な電子カルテに必要な機能を調査する。
研究方法
本研究における研究手法は以下の4ステップで行う。1)、すでに成果の上がっている医療機関における経験を分析する。2)、システムの次世代ネットワーク(IPv6)化の技術的検討を行い、実証実験をする。3)、次世代ネットワークの応用範囲を拡大していき、国民一生一カルテをどのようなステップで実現できるかを調査検討する。4)、IT利用者である患者参加型の健康維持方法を検討する。
結果と考察
本研究の結果として、以下のことが明らかになった。1)実用的なネットワーク型電子カルテ構築のためには自動データ取り込み機能が重要であること、さらに患者との情報共有まで考慮した管理モデルが必要であること。一方で、ネットワークインフラの地域格差が問題であること。2)効果的に電子カルテシステムを改善させていくためには業務分析結果を広く共有していくことが重要であること。3)次世代インターネットにおけるDNSサーバの安定稼働について、セキュリティプロトコルの面から問題があること。4)医療従事者に対する調査の結果、医療従事者は利便性が悪いためにPKIの利用は避けたいが、Identity-Based Encryptionならば利用する可能性があること。5)医療用リアルタイム動画伝送システムにおける,暗号化による画像品質劣化に対する客観的評価を行い、暗号通信路を用いても診断に十分耐えること。6)IPv6ネットワークを用いて、無呼吸症候群の患者のデータを自動的に取得するシステムを構築し、健康管理にIPv6ネットワークが利用可能であること。
結論
インターネットを用いて医療の質の向上および効率化を行うためには、次の2項目の開発が必要である。1)、次世代インターネットのセキュリティを確保する技術開発。2)、ネットワーク型電子カルテシステムとしてのシステム設計であり、ユーザの視点からのシステム開発である。本研究において、以上の2項目の必要性が明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2006-08-17
更新日
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