地域で生活する障害児・者の自律生活を支援する看護プログラムの開発-居住型モデルの開発・実践

文献情報

文献番号
200501290A
報告書区分
総括
研究課題名
地域で生活する障害児・者の自律生活を支援する看護プログラムの開発-居住型モデルの開発・実践
課題番号
H16-医療-023
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
杉下 知子(三重県立看護大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鳥居 央子(北里大学 看護学部)
  • 大脇 万起子(滋賀県立大学 人間看護学部)
  • 沖野 良枝(滋賀県立大学 人間看護学部)
  • 石垣 和子(千葉大学 看護学部)
  • 山本 則子(千葉大学 看護学部)
  • 河原 宣子(京都橘大学 看護学部)
  • 成田 有吾(三重大学医学部付属病院医療福祉支援センター)
  • 林  邦彦(群馬大学 医学部)
  • 飯田 恭子(首都大学東京 健康福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、増加する在宅障害児・者とその家族が、地域において生涯を通じ自律して生活できるような、看護による自律支援プログラムのを開発することを目的とする。平成17年度は、小児領域(滋賀フィールド)および成人・高齢者領域(千葉・三重フィールド)の3つのフィールドにおいて実際に看護実践活動を実施し、その結果をもとに検討・評価を行うことを中心に、看護による自律支援プログラムについてのニーズを知り、提供可能な試案を検討することを目的とした。
研究方法
滋賀・千葉・三重の3フィールドにおいて、看護による自律支援プログラム検討のためのニーズ調査、実践活動を実施した。加えて統計情報による障害者の支援ニーズの量的把握を行い、英国の障害者の自律支援サービスと福祉施策の現状を既存資料から把握した。
結果と考察
滋賀フィールドでは、年長小児に焦点をあて、協力を申し出た家族と共同で、モデル住宅(生活をする家)における看護職による実践活動を実施した。その結果、プログラム実現への最重要課題は、サービス提供に関する費用と時間であることが明確となったため、障害児家族および障害児看護に携わる看護職を対象に調査を実施した。千葉フィールドでは、千葉大学環境都市園芸フィールド科学教育センターと協力し、看護師の健康相談を含めた、農場実習に成人精神障害者が参加する看護プログラムを開発した。また、プログラムへの参加がもたらす効果の検討を試みた。すなわち、社会参加への満足感や肯定的・否定的感情および安静状態の改善などの健康指標の変化を測定し分析した。三重フィールドでは、訪問看護ステーションを拠点に、3名の医療依存度が高い在宅障害者を対象として、外出支援看護プログラムを実施し、アセスメントシートの試作を行った。並行して、医療施設で長期療養生活中の方の、外出へのニーズに関するインタビュー調査を実施した。さらに、在宅神経難病患者9名への看護職による在宅療養支援活動の中で、拠点病院勤務中の専門医への携帯電話映像通信機能(テレビ電話)を用いたコンサルテーションを試行し、コミュニケーション上の課題を検討した。
結論
滋賀・千葉・三重の3つのフィールドでの実践活動から、ライフサイクルを通じた看護ニーズに対応した自律支援看護プログラム案が見いだされた。海外においても自律支援のニーズは増加しており、看護による自律支援プログラムの必要性は大きいことが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
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