訪問看護支援システムの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200501288A
報告書区分
総括
研究課題名
訪問看護支援システムの構築に関する研究
課題番号
H16-医療-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
梅田 徳男(北里大学(医療衛生学部))
研究分担者(所属機関)
  • 池田 俊昭(北里大学(医療衛生学部))
  • 山本 晴章(やまもとクリニック)
  • 大川 明子(名古屋市立大学(看護学部))
  • 原内 一(川崎医療短期大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では退院後の経過観察や慢性疾患の患者自身が在宅のままバイタルデータを測定・取得し、それを施設にいる主治医に送信し、施設側の当該患者のデータに自動統合・一元管理できる、操作性のよいシステムの構築を行う。また、患者の疾患によって必要となるバイタルデータが異なることから、測定機器をオプション形式で選択できる個人単位のシステムとする。さらにシステム本体は普及が著しいパーソナルコンピュータで構成し、主治医の施設へのバイタルデータの送信は電話回線を利用して1日1回送信であることから設備投資、維持費共に低く抑えることができる。これによって一人一人の患者に応じた、在宅患者と主治医の施設である個人病院・中核病院とを結ぶことのできる安価なシステムを構築する。また、患者や医療従事者が必要とすれば、遠隔可動操作式のカメラを通じて患者の観察が行えるシステムとし、医用画像・医療情報の著作権保証、安全性・秘匿性を確保したステムとする。
研究方法
 実験システムは在宅患者側システム、訪問看護システムを含む医療機関側システムとする。システムのソフトウエアの管理はそのメンテナンスも含めて全て医療機関側で行う。構築システムへのLoginには在宅患者、看護・介護者、医師の3段階の資格を設け、閲覧・入力可能な医療情報を区別する。また、カメラ・ボイスシステムをシステムに装備することで、在宅患者の褥瘡状態を医療機関側に伝送し、その場で相談できるようにする。さらに、携帯電話を用いた糖尿病患者支援システム、アンケート収集システムを構築し、在宅患者やその家族、訪問看護師の負担を軽減する支援システムとする。
結果と考察
 構築システムを利活用することで、在宅患者は①訪問看護師と疑似対面相談が可能となったこと、訪問看護師は②患者宅を訪問することなく相談に対応可能となったこと、③在宅患者の状態が把握できるようになった。これらにより、在宅患者の安心感が増加すると予想され、訪問看護師も担当医と相談することでセカンドオピニオンが得られるようになった。さらに、④報告書作成に際してもこれら在宅患者の医療情報が報告書に転用できるために、在宅患者に向き合う時間が増加した。
結論
 在宅患者は医療従事者と疑似面談を行えるため、また訪問看護師はいつでも担当医と相談できるため、安心感が増した。また、在宅患者データ入力が簡便なので、在宅患者や訪問看護師の負担を軽減できた。

公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
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