地域住民の口腔保健と全身的な健康状態の関係についての総合研究

文献情報

文献番号
200501287A
報告書区分
総括
研究課題名
地域住民の口腔保健と全身的な健康状態の関係についての総合研究
課題番号
H16-医療-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小林 修平(人間総合科学大学 人間科学部 健康栄養学科)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 修二(共立女子大学 家政学部 臨床栄養学)
  • 才藤 栄一(藤田保健衛生大学 医学部 リハビリテーション医学)
  • 花田 信弘(国立保健医療科学院 口腔保健部)
  • 宮崎 秀夫(新潟大学大学院)
  • 植松 宏(東京医科歯科大学大学院)
  • 石井 拓男(東京歯科大学 社会歯科学)
  • 今井 奨(国立保健医療科学院 口腔保健部 口腔保健技術室)
  • 泉福 英信(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 安藤 雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部 口腔保健情報室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域住民の口腔保健に起因する各種の疾患や病態を検証し、口腔保健が全身の健康状態に影響を及ぼしている状況を科学的に評価する。
研究方法
平成17年度は合計9課題の研究班を組織して研究を行った。その内訳は以下の通りである。研究1「高齢者の追跡調査」、研究2「高齢者の咀嚼能力に関する研究」、研究3「歯科治療による高齢障害者のQOLの改善」、研究4「歯周病と糖尿病-介入試験」、研究5「口腔微生物と全身の健康についての研究」、研究6「歯科医師における歯と全身の健康、栄養との関連に関する縦断研究」、研究7「唾液・口臭と全身の関係」、研究8「咀嚼と肥満の関連性に関する研究」、研究9「高齢者とにおい」。
結果と考察
研究1では新潟市に在住する70歳,600名に対する7年間の調査から分析を行った。その結果,口腔健康状態と全身健康状態として栄養,運動機能,体格,唾液の性状,精神健康状態,日常活動動作との間に有意な関連が認められた。研究2では臼歯部の支持が少ない場合ほど、義歯の装着により咀嚼回数は大きく減少し、食塊形成能力が改善することが示された。研究3では、インタビュー形式の場合、暫定版QOL尺度の各項目は対象者にとって回答可能なものと考えられた。
研究4では、糖尿病患者における歯周病治療は二次的に血糖コントロールの改善をもたらすことが示唆された。また、血糖コントロールの維持には歯周病の継続的な治療が必要であることも示唆された。研究5では、LPS活性の高いことは、ポケットの深さや出血程度と関係があり特に出血との関係が強いと考えられた。
研究6では、歯牙喪失と正に関連する要因として高血圧が、また負に関連する要因として飲酒、激しい運動が認められ、歯牙喪失の危険因子には動脈硬化性疾患との共通性がみられた。また歯科医師集団においても、多くの栄養素について、喪失歯数が多いほど摂取量が少ない傾向が認められた。十分な栄養摂取には歯牙喪失の予防が重要であることを示唆している。
研究7では、 最大PDはメチルメルカプタン/硫化水素比と、主な口腔内総細菌数は総VSC濃度と相関を示した。研究8では、ローレル指数が高い児童は、朝食、おやつ、夜食よりも、「食べ方」との関連性が認められた。さらに、健康教育を行なった結果、セルフエスティーム(家族)の得点、おにぎりの総咀嚼回数および時間が有意に改善した。
研究9では、電子嗅覚装置によって口気のにおいの質を比較すると義歯のにおいが最も近かった。
結論
地域住民の口腔保健に起因する各種の疾患や病態を検証し、口腔保健が全身の健康状態に影響を及ぼしている状況を数値で評価できることが判明した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
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