脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200501286A
報告書区分
総括
研究課題名
脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究
課題番号
H16-医療-018
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 光明(財団法人全国療術研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 潤(防衛医科大学校 生理学)
  • 松本 徳太郎(全国療術師協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
カイロプラクティックなどの施術を実際に行っている施術者の禁忌症に対する認識・対応状況などの実態をアンケート調査によって明らかにすること。また、一般市民(患者)のカイロプラクティックに対する意識や禁忌症に対する認識を明らかにすること。
研究方法
カイロプラクティックなどの施術を行っている施術者(施術所)に対する無記名のアンケート調査をインターネットと一部郵送で実施した。また、施術所に患者向けのアンケート用紙を配布し、無記名で記入を依頼する方法で実施した。
結果と考察
[結果]施術者は患者が禁忌症であると申し出た場合や禁忌症が疑われる場合を除き、禁忌症かどうかを判断することに困難を感じていること、また、禁忌症に該当するとしても症状や手技の差を考慮しない取り扱いには無理があると感じていることが判明した。また、ハイリスクとなる高齢者に対する施術においては相当に注意しつつ施術を進めていることが判明した。
[考察」施術者は禁忌症があることは認知している。しかし、患者が自発的に告知したり相当重症となったりしないと、施術者には疑いを持つことができない。また、患者自身が自分の症状に正確な認識がない場合が少なくないし、痛み等が緩和されないために施術を受けに来るケースが多い。このため、施術者は様子を見ながら、患部や強度等の調整をしているのが実情である。
 以上を考慮すると、禁忌症も含め、ハイリスク者に対するリスク評価の基準や施術部位、施術方法などの基準を明らかにすることが重要であると考察される。
結論
患者の安全を確保するためには、カイロプラクティックなどの施術者に対し、施術リスクの高い患者の評価方法、施術可能な部位、施術可能な方法、事故の対処法などについて明確なマニュアルを作成し、研修等によって普及させることが必要である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-27
更新日
-