救急救命士に対する効果的な気管挿管教育法とマルチメディア教材の開発

文献情報

文献番号
200501283A
報告書区分
総括
研究課題名
救急救命士に対する効果的な気管挿管教育法とマルチメディア教材の開発
課題番号
H16-医療-015
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
田中 秀治(国士舘大学体育学部スポーツ医科学科)
研究分担者(所属機関)
  • 徳永尊彦(救急救命東京研修所)
  • 安田康晴(島根県消防学校)
  • 小峯力(流通経済大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
救急救命士の教育では全国MC地域毎に気管挿管の適応が異なり、教育する指導医師によっては指導に大きな技術差異が生じています。全国共通の病院前治療の教育土壌が広まりつつある中、気管挿管においては多種多様な教育方法が出現の可能性を秘めています。そのためには、MC教育に携わる医師や救急救命士への指導者が統一した教育が行えるような指導教材の開発が急がれます。
研究方法
今年度の研究では薬剤投与技術や薬剤投与知識の修得、種々の薬剤投与困難症例に対する対処方法の取得、高度シミュレーター人形を用いた薬剤投与シナリオの理解を目的とした教育教材を開発しました。主任研究者の田中は全国の救急救命士教育に携わる医師、救急救命士、看護師などが、統一された気管挿管教育を実践できる教育機材と教育手法を開発し、E-LEARNING教材によるによるデモ動画を作成しました。安田・小峯らは講義・インストラクション用ハンドアウト・シナリオ集を作成しました。徳永らは、プレテスト・ポストテストの作製を行いました。教材の効果を検討するために、安田らが、消防学校での教育において事前学習で基本的な座学や実習が効率よく実施できうるかを検討しました。

結果と考察
研究の結果、消防学校での教育においてE-LEARNING教材によるによる事前学習で基本的な座学や実習が効率よく実施できうるかをことが判明しました。さらに、医師や指導者の負担を減じることができ、効果的な教育が提供できることが判明しました。さらにMC医師・指導者育成のためシミュレーション医学、リアリティ含むワークショップを数回開催し、全国の均一な高度病院前医療の普及啓発につとめました。
結論
気管挿管・薬剤投与講習に関わる教育方法の現状の問題点と今後の課題について検討しました。国から提示されている気管挿管・薬剤投与の講習単位数全てを座学・集合教育で行うことは、指導側、受講側の負担が大きく、教育効果の高い教材と教育プログラムを提供することにより教育の質を低下することがなくその負担を軽減できることが示唆されました。今後気管挿管や薬剤投与などの高度医学教育には動画教材や正しい講義スライドやハンドアウトなど包括した総合教育ツール(より高度なE-LEARNING素材)の普及が今後の課題であると考えています。なによりもMC医師の指示の基で一定水準の特定行為が救急救命士により、全国で一元的に行えるようにすることが、国民生活の安全性向上に極めて重要です。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-11-28
更新日
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