病院機能評価に連動した継続的改善システムの基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200501278A
報告書区分
総括
研究課題名
病院機能評価に連動した継続的改善システムの基盤整備に関する研究
課題番号
H16-医療-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
梅里 良正(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 大道 久(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 寺崎 仁(財団法人日本医療機能評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院の改善を支援する仕組みとしての病院機能評価は一定の普及・定着を見せているが、一方で、多くの病院が改善すべき課題を残したまま受審している状況が見出され、改善活動の継続性が課題となっている。そこで本研究では、病院機能評価の受審時のみならず、病院の改善活動が継続的になされるよう支援する仕組みについて検討することを目的とする。
研究方法
評価項目体系Ver4で受審した1460病院を対象とし、病院属性や審査結果データを集計・分析した。次に、改善課題の明確化を図るために、適切さに欠けるという判定である「評点2以下」となる割合が高い項目を中心に重点支援項目を抽出し、その妥当性、信頼性を検証した。さらに、重点支援項目のうち診療録管理やケアプロセス項目について、電子カルテを導入している場合の評価方法や判定指針について現状の問題点を検討し、判定指針の充実と新しい運用手順を作成した。
結果と考察
受審病院の特徴として、病床規模では小規模病院の割合が、機能としては複合型の病院の割合が年々多くなってきている傾向が見いだされた。また、多くの病院は複数回の審査を経て認定されているが、全体の9割の病院が認定を取得するまでに、初回の審査結果通知後10-15ヶ月程度の期間を要していることが確認された。次に「評点2以下」となる割合が10%を超える項目が全204項目のうち、17項目抽出された。それらを含む重点支援項目を作成し、最新版であるVer5の評価項目に対応させることで、今後、病院機能評価を受審する病院や、継続的に病院機能の維持を図ろうとする病院の改善活動に資する情報をまとめた。3つ目の検討では、「患者に関する情報の確実な伝達(指示出し・指示受けの手順など)」において、電子カルテ導入病院における基本的な判定指針を示した。この判定指針を周知することで、これまでは不明確だった電子カルテ導入病院における診療/看護の基本手順の適切性を的確に評価することが可能となった。
結論
受審病院の改善支援のために重点支援項目の設定や判定指針の充実がなされ、前年度に行った分析結果と合わせ、改善課題が明確化された。今後は、病院機能評価の制度の中に、継続的な改善を促す仕組みを導入するための検討が必要である。

公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
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