電子カルテのための処方設計支援システムの基盤技術の研究とコンポーネントの開発

文献情報

文献番号
200501262A
報告書区分
総括
研究課題名
電子カルテのための処方設計支援システムの基盤技術の研究とコンポーネントの開発
課題番号
H15-医療-027
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 康文(東京大学)
研究分担者(所属機関)
  • 大谷 壽一(東京大学 大学院薬学系研究科)
  • 折井 孝男(NTT東日本関東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品の製剤特性に基づいた処方設計支援機能を提供するために必要な医薬品情報を抽出、整理するとともに、それらを規格化するための基準と、適正に保持できるデータベースの構造を設計することを目的とした。また、電子カルテ上の患者情報と、処方チェックや処方設計支援機能との連携の必要性について評価することを目的とした。さらに、ヒューマンマシンインターフェースの問題点について分析することを目的とした。
研究方法
製剤特性に基づく処方設計支援・処方チェックの事例をもとに、製剤特性・剤形加工データベースの構造を設計するとともに、データの規格化基準を構築した。そして、実際の医薬品についての製剤特性・剤形加工データに適用した。また、患者情報の連携の必要性を明らかにするために、処方チェックのパターンごとにそのアルゴリズムを解析することで、必要な患者情報の項目をリストアップした。ヒューマンマシンインターフェースの問題点を明らかにするために、医師を対象としたアンケート調査を実施した。
結果と考察
製剤特性・剤形加工データベースは、3 つのデータベースからなる関連データベースとして構築した。構築したデータベースは、医薬品の製剤特性情報を適正に保持することができた。さまざまな処方チェックパターンのうち患者情報が必須とされたものは 83.1% であり、そのうち処方せん記載事項以外の患者情報が必要なものがほとんどであった。中でも、患者の病名や症状に関する情報は重要であった。ヒューマンマシンインターフェースに関するアンケートからは、処方薬の候補リストの表示に必要な入力文字数をシステムにより 3 文字以上とする必要性が示された。複数のオーダリングシステムを使用した経験のある医師の多くは、システム間の操作性の違いを実感しており、システムの統一規格を定める必要性が示唆された。投与量チェック機能については、医師からの否定的意見は少なかった。
結論
処方チェック及び処方設計支援システムの構築に有用な製剤特性・剤形加工に関するデータベースを構築できた。また、処方設計支援・処方チェックシステムにおける患者基本情報の重要性を明らかにすることが出来た。また、処方オーダリングシステムにおけるヒューマンマシンインターフェースに関して、何らかの統一規格を定める必要性が高いことが示された。

公開日・更新日

公開日
2007-10-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200501262B
報告書区分
総合
研究課題名
電子カルテのための処方設計支援システムの基盤技術の研究とコンポーネントの開発
課題番号
H15-医療-027
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 康文(東京大学)
研究分担者(所属機関)
  • 大谷 壽一(東京大学 大学院薬学系研究科)
  • 折井 孝男(NTT 東日本関東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
電子カルテにおける処方チェック・処方設計支援コンポーネントを作成するためのコンテンツ(データベースとアルゴリズム)に関する基盤技術を確立することを目指した。また、処方オーダリングシステムにおけるヒューマン・マシンインターフェースの問題点を解析し、その標準規格を作成することも目的とした。
研究方法
まず、処方チェックの実例を解析・分類し、パターン化することにより、コンピュータを用いた処方チェック・設計支援システムにおけるアルゴリズムを設計した。そして、処方チェック・処方設計支援に必要なデータベースをリストアップした。重要度が高い 11 種のデータベースについて、構造設計・試作を行った。また、処方チェックや処方設計支援に必要な患者情報の項目を解析した。さらに、処方チェック・設計支援システムのモジュールのうち 7 モジュールについてプロトタイプを作成した。ヒューマン・マシンインターフェースの問題点を解析するために、医師・薬剤師に対するアンケート調査を行い、現状の問題点の解析を行った。
結果と考察
処方チェックのパターンは、適用する医薬品情報の項目に基づいて分類可能であった。処方チェック・処方設計支援に必要なものとして、11 種のデータベースの構造設計を設計するとともに、必要な患者情報を解析した。続いて、処方チェック・設計支援システムのモジュールのプロトタイプを作成し、機能を確認出来た。また、ヒューマン・マシンインターフェースの問題点を調査解析したところ、入力文字数のほか、インターフェースの不統一、機能不足などの問題があり、処方ミスの一因となっている可能性が考えられた。これらをもとに「標準的入力マン・マシンインターフェース統一仕様書骨子」を作成することができた。
結論
システムの基盤をなす医薬品情報データベースを構築するとともに、これらデータと患者個々の処方・医療データに対して、薬物体内動態学的バックグラウンドを適用することによって、処方チェック・処方設計支援を提供するシステムのアルゴリズムと一部のプロトタイプを構築した。さらに、処方オーダリングにおける最適なヒューマン・マシンインターフェースの設計も行った。本研究の成果は、電子カルテシステムにおける処方チェック・処方設計支援システムを構築する上で重要な基盤となるであろう。

公開日・更新日

公開日
2007-10-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501262C