標準的電子カルテにおける画像観察液晶モニタ、汎用液晶モニタの標準化と精度管理に関する研究

文献情報

文献番号
200501261A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的電子カルテにおける画像観察液晶モニタ、汎用液晶モニタの標準化と精度管理に関する研究
課題番号
H15-医療-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
石垣 武男(名古屋大学大学院医学系研究科量子医学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮坂和男(北海道大学医学部)
  • 西谷 弘(徳島大学医学部)
  • 遠藤登喜子(名古屋医療センター)
  • 村田喜代史(滋賀医科大学)
  • 安藤 裕(放射線医学総合研究所)
  • 小寺吉衞(名古屋大学医学部)
  • 池田充(名古屋大学医学部)
  • 島本佳寿広(名古屋大学医学部)
  • 藤田広志(岐阜大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
マンモグラムを読影する際の液晶モニタの画質による違いを明らかにする。また、色弱者に対して電子カルテ端末モニタ上での色の配色、図・表の表示における技術的指針を明らかにする。
研究方法
液晶モニタの画質については工学的な観点からの検討と、臨床的観点からデジタルマンモグラフィのモニタにおける画像表示能の検討を行った。電子カルテ用のカラー汎用モニタの問題点として色弱者に対するカラー配色への配慮について調査研究を行った。
結果と考察
液晶モニタの輝度劣化はバックライトの劣化に負うところが大であり、輝度安定化回路のない液晶モニタの輝度低下は、24時間稼動を想定した場合年間で30%程度であり、6ケ月でのチェックが必要と思われる。輝度安定化回路を備えている医用液晶モニタの定期試験間隔は1年でも問題がないと思われる。液晶ディスプレイの各種フィルタがMTFに与える影響について検討したが、液晶保護フィルタの有無によるMTFの違いはなかった.アンチグレアフィルタをつけるとディスプレイのMTF値は低下した。液晶モニタによるデジタルマンモグラムの観察は拡大処理、階調処理を加えることにより5Mモニタであればその使用が可能であるが、3Mモニタ以下に関しては5Mモニタ以上に拡大処理、階調処理を綿密に行えば臨床的に使用できる可能性は残されているので今後の検討課題である。医療情報システム全般にとって、色弱者にとっても正しく判 断できる『色覚バリアフリー』の重要性を考慮する必要がある。
結論
輝度安定化回路のない液晶モニタの輝度低下は、24時間稼動で年間30%程度であるのに輝度安定化回路を備えている場合は年間で10%程度であった。液晶モニタの画素数が増すとともにその物理的性能は向上した。デジタルマンモのフィルム画像の診断能について検討した結果では拡大処理や階調処理を駆使して観察すれば5M液晶モニタであればフィルム画像との差は無くなるという結果であった。電子カルテに用いる汎用のカラーモニタではカラー表示が問題であり、いわゆる色盲の場合にカラーによる識別ができないことから、電子カルテ導入にあたって画面表示におけるカラー表示に十分配慮し、色だけに意味を持たせないで、かつ白黒表示でも内容が分かるようにすることが重要であると結論された。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200501261B
報告書区分
総合
研究課題名
標準的電子カルテにおける画像観察液晶モニタ、汎用液晶モニタの標準化と精度管理に関する研究
課題番号
H15-医療-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
石垣 武男(名古屋大学大学院医学系研究科量子医学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮坂和男(北海道大学医学部)
  • 西谷弘(徳島大学医学部)
  • 遠藤登喜子(名古屋医療センタ)
  • 村田喜代史(滋賀医科大学)
  • 伊藤春海(福井医科大学)
  • 安藤裕(放射線医学総合研究所)
  • 小寺吉衞(名古屋大学医学部)
  • 池田充(名古屋大学医学部)
  • 島本佳寿広(名古屋大学医学部)
  • 藤田広志(岐阜大学医学部)
  • 尾辻秀章(西の京病院)
  • 楠本昌彦(国立がんセンタ)
  • 原眞咲(名古屋市立大学医学部)
  • 佐々木康夫(岩手県立中央病院)
  • 渡辺秀幸(九州がんセンタ)
  • 加藤克彦(名古屋大学大学院医学系研究科量子医学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
液晶モニタの劣化について検討し、電子カルテにおける画像観察液晶モニタ、汎用液晶モニタの標準化と精度管理に関する検討を行う
研究方法
液晶モニタの耐用試験はモニタメーカと共同で検討。液晶モニタの物理的画質については工学的な観点からMTFなどを用いて検討。臨床的な観点からは医用画像観察用液晶モニタの画質の検討をROC解析などで行った。さらに電子カルテ用のカラー汎用モニタの問題点として色弱者に対するカラー配色への配慮について調査研究を行った
結果と考察
液晶モニタの輝度劣化はバックライトの劣化に負うところが大であり、輝度安定化回路のない液晶モニタの輝度低下は、24時間稼動を想定した場合年間で30%程度であり、6ケ月でのチェックが必要と思われる。輝度安定化回路を備えている医用液晶モニタの定期試験間隔は1年でも問題がないと思われる。液晶ディスプレイの各種フィルタがMTFに与える影響について検討したが、液晶保護フィルタの有無によるMTFの違いはなかった.アンチグレアフィルタをつけるとディスプレイのMTF値は低下した。1Mから5Mの液晶モニタと高精細CRTモニタとの間で多施設・多人数の観察者によるROC解析を行い肺の結節陰影および間質性陰影について統計的な有意差が見られなかった。胸部単純写真は医用画像の中ではマンモグラムを除けば最も精度が必要とされる画像であり、他の単純写真およびCT,MRIといったより画素数の少ない画像モダリティに関しても適応できるものである。液晶モニタによるデジタルマンモグラムの観察は拡大処理、階調処理を加えることにより5Mモニタであればその使用が可能であるが、3Mモニタ以下に関しては5Mモニタ以上に拡大処理、階調処理を綿密に行えば臨床的に使用できる可能性は残されているので今後の検討課題である。CRTモニタとは違って、液晶モニタでは部屋の照度の影響は臨床的に無視できることがわかった。電子カルテ端末液晶カラーモニタでは色弱者にとっても正しく判 断できる『色覚バリアフリー』の重要性を考慮する必要がある
結論
液晶モニタはCRTモニタに代わって画像観察用端末として使用することが可能であるが、その性能及び特徴を十分理解し用いることが重要である。特にマンモグラムに関しては高精細の液晶モニタでの読影が必要とされる。電子カルテ用の汎用端末液晶モニタでは色弱者対する配色の配慮が必要である

公開日・更新日

公開日
2009-03-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501261C