外来がん化学療法における看護ガイドラインの開発と評価

文献情報

文献番号
200501257A
報告書区分
総括
研究課題名
外来がん化学療法における看護ガイドラインの開発と評価
課題番号
H15-医療-022
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小松 浩子(聖路加看護大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 外崎 明子(聖路加看護大学 看護学部 )
  • 林 直子(聖路加看護大学 21世紀COE専任研究員 )
  • 操 華子(聖ルカ・ライフサイエンス研究所 聖路加国際病院 臨床実践研究推進センター)
  • 射場 典子 (聖路加看護大学 看護学部 )
  • 飯岡 由紀子(聖路加看護大学大学院 博士後期課程在学中 )
  • 村上 好恵(聖路加看護大学 看護学部 )
  • 松崎 直子(聖路加看護大学 看護学部 )
  • 冨田 美和(聖路加看護大学 看護学部 )
  • 玉橋 容子(聖路加国際病院)
  • 鈴木 久美(聖路加看護大学 看護学部 )
  • 市川 和可子(聖路加看護大学 看護学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、外来がん化学療法における看護において最も安全性の確保が必要とされる抗がん剤投与時の血管外漏出(extravasation:以下EVとする)に焦点をあて、Evidence-based Nursingの手法をもとに、EVの予防と早期発見、EVの早期発見に向けて専門的判断や対処、EVに関するセルフケアの促進に関する実際的な指針を示し、患者のQOL向上に貢献できる看護ガイドラインの開発をめざしている。
研究方法
がん看護エキスパートを中心としたレビューチームを組織化し、網羅的に検索した3,025
文献と、二次文献の検索で入手した文献から525文献を選定し、これらについて批判的吟
味を行い、エビデンスを採択し推奨内容を構造化し、ガイドライン試案を作成した。次い
で、ガドライン試案の妥当性と実用性を評価するために、Evidence-based Practice
の専門家、化学療法を実践している看護師、医師および患者を外部評価者とし、AGREE 
instrumentの日本語版などを用い、臨床適用性および妥当性について検討した。
結果と考察
ガイドライン試案の内容は、ガイドライン試案の内容は〔静脈確保と抗がん剤の確実な注入〕〔EV早期発見のアセスメント〕〔EVからの組織侵襲回復の治療・ケアとその効果〕など10章に構成された。推奨事項の概要は、①化学療法を受ける患者のQOL向上のために、専門教育を受けたIVナースなどによる包括的なアプローチが望まれる。②適切な静脈確保のための方法を選択しEVを予防する上で、血管の確保、合併症の既往、使用薬剤がvesicantsに分類されるかなどについて的確にアセスメントを行う必要がある。③穿刺部位の違和感、疼痛、腫脹、灼熱感がある場合などは看護師に知らせるように患者に指導する必要がある、などであった。外部評価の結果からは、ガイドラインの内容は合理的に構成され高い有用性を認められた。一方で、緊急対応を迫られる外来化学療法部門において本ガイドラインを適用する上で、実用性に関して更なる精錬の必要性が指摘された。
結論
本ガイドラインは、多様な抗がん剤のレジメンに関する熟知した知識や高度な医療技術が求められる外来がん化学療法看護において、EVに関する専門的判断や対応策、患者のセルフケア促進に関する実際的な指針をもたらすものといえる。

公開日・更新日

公開日
2008-06-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200501257B
報告書区分
総合
研究課題名
外来がん化学療法における看護ガイドラインの開発と評価
課題番号
H15-医療-022
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小松 浩子(聖路加看護大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 外崎 明子(聖路加看護大学 看護学部)
  • 林 直子(聖路加看護大学 21世紀COE専任研究員)
  • 操 華子(聖ルカ・ライフサイエンス研究所 聖路加国際病院 臨床実践研究推進センター)
  • 射場 典子(聖路加看護大学 看護学部)
  • 飯岡 由紀子(聖路加看護大学大学院 博士後期課程在学中)
  • 村上 好恵(聖路加看護大学 看護学部)
  • 松崎 直子(聖路加看護大学 看護学部)
  • 冨田 美和(聖路加看護大学 看護学部)
  • 鈴木 久美(聖路加看護大学 看護学部)
  • 市川 和可子(聖路加看護大学 看護学部)
  • 玉橋 容子(聖路加国際病院)
  • 中山 祐紀子(元 聖路加看護大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、外来がん化学療法において標準化した看護ケアを提供することを目的に、最も安全性の確保が必要とされる抗がん剤投与時の血管外漏出(extravasation:以下EVとする)に焦点をあて、Evidence-based Nursingの手法をもとに看護ガイドラインの開発と評価を行った。これはEVの予防と早期発見、EVの早期発見に向けて専門的判断や対処方法、EVに関するセルフケアの促進に関する実際的な指針を示すものであり、患者のQOLが向上することを目的としている。
研究方法
初年度は外来がん化学療法における看護の現状と課題に関する調査により、看護の構造的・機能的要素を抽出した。翌年度はガイドラインの実用化を優先するべき問題を抗がん剤投与時のEVとし、網羅的に検索した文献について批判的吟味を行いながらガイドライン試案を作成した。そして最終年度には作成した抗がん剤のEVの予防、早期発見、対処に関するガイドライン試案の妥当性と実用性について、Evidence-based practiceの専門家、化学療法実践家(看護師、医師)および患者を外部評価者として検討した。
結果と考察
ガイドライン試案は、〔静脈確保と抗がん剤の確実な注入〕〔EV早期発見のアセスメント〕〔EVからの組織侵襲回復の治療・ケアとその効果〕など10章に構成され、専門教育を受けたIVナースなどにより、適切な静脈確保、これまでの合併症や使用薬剤の特性などの的確なアセスメントが主たる推奨内容であった。また患者のセルフケア促進を目的に穿刺部位の監察と医療者への連絡などを含む患者用セルフケアガイドライン試案も作成した。外部評価の結果では、ガイドラインは合理的で高い有用性を認められたが、緊急対応の必要な臨床での実用は更に精錬する必要性が指摘された。
結論
本ガイドラインは、多様な抗がん剤のレジメンに関する熟知した知識や高度な医療技術が求められる外来がん化学療法看護において、EVに関する専門的判断や対応策、患者のセルフケア促進に関する実際的な指針をもたらすものといえる。

公開日・更新日

公開日
2008-06-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501257C