フッ化物応用による歯科疾患の予防技術評価に関する総合的研究

文献情報

文献番号
200501255A
報告書区分
総括
研究課題名
フッ化物応用による歯科疾患の予防技術評価に関する総合的研究
課題番号
H15-医療-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
眞木 吉信(東京歯科大学 衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中垣 晴男(愛知学院大学 歯学部 )
  • 田中 栄(東京大学 医学部附属病院 )
  • 西牟田 守(国立健康・栄養研究所 栄養所要量研究部)
  • 花田 信弘(国立保健医療科学院 口腔保健部)
  • 安藤 雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部)
  • 鶴本 明久(鶴見大学 歯学部 )
  • 小林 清吾(日本大学 松戸歯学部 )
  • 古賀 寛(東京歯科大学 衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業はフッ化物応用による歯科疾患の予防技術評価に関して、総合的に研究することを目的としており、本年度は3年目でまとめの年となる。平成17年度は、昨年度までの継続で実験研究、疫学調査および社会調査に関する3つのProjectで研究を遂行した。
研究方法
3つのProjectに関する課題を各分担研究者に依頼した。
1.フッ化物の栄養所要量、フッ化物と全身の健康、フッ化物の細胞レベルへの影響、水道水フッ化物添加法の技術と安全性について研究を推進した。
2.フッ化物の局所応用に関する基礎、臨床、実験、疫学およびライフステージに対応した応用方法について研究をすすめた。
3.フッ化物応用の保健政策に関する研究は、1)フッ化物応用の保健政策、2)地域保健の中のフッ化物利用に関する実態調査の集計・分析、3)フッ化物洗口の普及の要因に関する事例検討集の作成、4)フッ化物関連記事のマスメディアへの掲載頻度調査、5)世界的に見たフッ化物洗口剤の利用状況調査の課題で実施された。
結果と考察
1.フッ化物の栄養所要量(摂取基準)の提示に関する書籍の原案を作成した。
2.これらの成果をもとに、本年度は平成17年4月にスウェーデンのフッ化物応用事情に関する京都セミナーを開催し、この成果を報告書としてまとめるとともに、この成果を反映した「フッ化物配合歯磨剤応用マニュアル」(平成15年)、「フッ化物配合歯磨剤応用マニュアル」(平成17年)に続くフッ化物シリーズ3作目の「フッ化物局所塗布応用実施マニュアル」の原案を作成した。
3.特に、地域保健のフッ化物利用状況は、「地方自治体におけるフッ化物利用に関する全国実態調査」として報告書をまとめ、普及の要因に関する事例は、「フッ化物洗口事例集」を作成した。
結論
本年度は3年間の研究総括の年として、公開シンポジウム「21世紀における歯科疾患の予防体系の構築」を開催し、上記の成果を報告・討議するとともに、今後の科学的なフッ化物応用の推進方策とそのモニタリングについて考察した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200501255B
報告書区分
総合
研究課題名
フッ化物応用による歯科疾患の予防技術評価に関する総合的研究
課題番号
H15-医療-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
眞木 吉信(東京歯科大学 衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中垣 晴男(愛知学院大学 歯学部)
  • 田中 栄(東京大学 医学部附属病院)
  • 西牟田 守(国立健康・栄養研究所 栄養所要量研究部)
  • 花田 信弘(国立保健医療科学院 口腔保健部)
  • 安藤 雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部)
  • 鶴本 明久(鶴見大学 歯学部)
  • 小林 清吾(日本大学 松戸歯学部)
  • 古賀 寛(東京歯科大学 衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
フッ化物応用の総合的研究班(H15-医療-020)では、3年間の研究課題を総括するために「効果的な歯周疾患のリスク判定および予防体系の開発」班(H15-医療-15150101)との合同公開シンポジウム「21世紀におけるしか疾患の予防体系の構築」を平成18年3月3・4日の2日間にわたり開催した。
研究方法
本研究班では、フッ化物のリスク心理、インフォームドコンセントに関する2講演と総括報告、フッ化物摂取とう蝕予防効果、フッ化物局所応用、フッ化物の保健政策に関して2つのシンポジウム(10演題)を実施した。
結果と考察
講演1)リスクと心理学、講演2)公衆衛生とインフォームドコンセント
総括報告1):「フッ化物応用の総合的研究」の成果と今後の課題
シンポジウム2):フッ化物摂取と健康、
1.栄養学からみたフッ化物摂取、
2.歯のフッ素症の新たな評価の試み、
3.フッ化物によるラット骨髄由来細胞の骨系細胞への分化誘導と遺伝子発現への影響、
4.MAPキナーゼ系の石灰化に対する役割、
5.フロリデーションに関する住民学習活動の試み
シンポジウム4):フッ化物局所応用と地域歯科保健:
1.初期う蝕診断とフッ化物の臨床疫学研究の展望、
2.「フッ化物局所応用剤のex.vivoにおけるう蝕予防効果の評価法、
3.フッ化物徐放性修復材料お臨床応用と有効性、
4.フッ化物応用における健康政策と合意形成、
5.地方自治体におけるフッ化物利用の実態
結論
本研究班の3年間にわたる研究課題を総括したものであり、わが国におけるフッ化物応用の臨床、疫学、公衆衛生的施策ならびに保健政策に還元されるものと期待する。

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501255C

成果

専門的・学術的観点からの成果
1)フッ化物摂取に関して、う蝕予防効果と歯のフッ素症を新たなBMD法で評価できた。
2)フッ化物の細胞レベルでの作用を分子生物学的手法で評価する糸口ができた。
3)フッ化物局所応用剤のう蝕予防効果についてのex vivo評価法を開発した。
4)フッ化物応用の社会的受容に向けた研究を展開した。
以上の成果は今後のフッ化物の基礎・疫学研究を進展さると期待される。
臨床的観点からの成果
1)フッ化物配合歯磨剤のリスクに応じた効果的使用が可能となった。
2)フッ化物局所歯面塗布実施が最新の手法がまとめられた。
3)フッ化物徐放性修復材料についてのう蝕予防の臨床的効果を検討した。
以上の研究成果は今後の歯科医療の臨床において予防処置に利用される。
ガイドライン等の開発
1)フッ化物配合歯磨剤応用のマニュアルの出版
2)日本におけるフッ化物摂取基準の為の検討資料案作成
その他行政的観点からの成果
1)地方自治体におけるフッ化物利用に関する全国実態調査をまとめた。
2)フッ化物応用の普及の要因に関する「フッ化物洗口事例集」を作成した。
3)地方自治体におけるフロリデーション事業を継続的に展開している。
以上の成果・事業は歯科保健行政において有効活用されるものと期待される。
その他のインパクト
フッ化物応用の総合的研究班(H15-医療-020)では、「効果的な歯周疾患のリスク判定法および予防体系の開発」班(H15-医療-15150101)との合同公開合シンポジウム「21世紀における歯科疾患の予防体系の構築」を平成18年3月3、4日の2日間にわたり開催した。本研究班では3年間にわたる研究の総括として2講演と総括報告、2つのシンポジウで総数10演題の報告を行った。この成果報告はわが国における臨床・疫学・公衆衛生的施策に還元される。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
20件
研究成果における報告を含む
その他論文(英文等)
1件
4/8 2005京都ワークショップ
学会発表(国内学会)
8件
学会発表(国際学会等)
6件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
3件
1.フッ化物摂取基準、2.F配合歯磨剤。3.F局所歯面塗布、
その他成果(普及・啓発活動)
2件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Tanaka S.
Intracellular signal transduction pathways: good therapeutic targets for joint destruction in rheumatoid arthritis
Mod Rheumatology , 15 , 19-27  (2005)
原著論文2
Tanaka S, Takahashi N, Nakamura K.
Role of RANKL in physiological and pathological bone resorption and therapeutics targeting RANKL-RANK signaling system.
Immunological Review , 108 , 30-49  (2005)
原著論文3
Wang J, Someya Y, Inaba D, Longbottom C. Miyazaki H
Relationship between electrical resistance measurements and microralization of softened enamel lesions.
Caries Res. , 39 , 60-64  (2005)
原著論文4


公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-