文献情報
文献番号
200501245A
報告書区分
総括
研究課題名
医療計画の実態及びその評価に関する研究
課題番号
H15-医療-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
河原 和夫(東京医科歯科大学 政策科学分野)
研究分担者(所属機関)
- 長谷川 友紀(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
国民の医療に対する近接性(Accessibility)と公平性(Equity)など今後、医療計画の記載内容として強化されることになる質的要素を検討する際の分析手法を提示することが目的である。
研究方法
各都道府県別の精神障害者の平均在院日数をアウトカムとして、その要因と考えられる外部環境や社会経済指標との関連を解析した。救急医療の現状については、全国の救命救急センター186施設と救命救急センター以外の大学附属病院救急部78施設の計264施設を対象にアンケート調査を実施した。全国の市町村の面積重心点から各救命救急センターまでの移動距離(0.1km単位)及び移動時間(分単位)をプログラム上で測定した。
結果と考察
精神障害者社会復帰施設の施設数と定員が病院精神在院日数と相関しているなど、精神病院の隔離収容から脱入院の必要性が強く示唆された。救急医療は従事者の大多数が連続30時間以上の勤務シフトで働いており、週間労働時間も60時間を上回っている実態が明らかになった。また、GIS(Geographical Information System)を用いた3次救急体制の実態については、都道府県別に一定時間内(30分または60分)に3次救急機関にアクセス可能な人口割合を算出したところ数倍の地域格差が確認された。人口が密集し所得水準が高く道路整備が進んでいるという都市部の特徴が強い都道府県ほど当該アクセス時間が短くなる傾向が示唆された。加えて、1か所の3次救急機関の担当する人口を、当該救命救急センターに最短時間でアクセスできる市町村の人口合計として推計したところ、人口割合が高い都道府県ほど担当人口の規模のバラつきが大きいことが確認された。
結論
今後、医療の公平性、近接性ならびに質などについて、医療計画の中で検討しながら地域完結型の医療システムを構築する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2008-04-08
更新日
-