高機能保持ヒト肝細胞組込型細胞チップとナノセンサーによる新薬開発における薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサーの開発

文献情報

文献番号
200501376A
報告書区分
総括
研究課題名
高機能保持ヒト肝細胞組込型細胞チップとナノセンサーによる新薬開発における薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサーの開発
課題番号
H16-創薬-078
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
永森 靜志(杏林大学 医学部総合医療学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 下遠野邦忠(京都大学 ウイルス研究所がんウイルス部門)
  • 金井好克(杏林大学 医学部薬理学教室)
  • 千葉 寛(千葉大学大学院 薬学研究院薬物学)
  • 細川正清(千葉科学大学 薬学部)
  • 宮崎正博(岡山大学 分子細胞医学研究)
  • 杉山俊博(秋田大学 医学部構造分子機能学分野)
  • 長崎幸夫(筑波大学 学際物質科学研究センター)
  • 鈴木一幸(岩手医科大学 医学部消化器内科学)
  • 小田裕昭(名古屋大学大学院 生命農学研究科生化学)
  • 鈴木哲朗(国立感染症研究所 ウイルス学研究)
  • 相崎英樹(国立感染症研究所 ウイルス学研究)
  • 木下春喜(中外製薬株式社 臨床薬理部)
  • 西宮一尋(中外製薬株式社 臨床薬理部)
  • 市田隆文(順天堂大学 医学部消化器内科教室)
  • 本間正充(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,145,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬物代謝能を保持するヒト肝由来細胞株を利用し新薬開発可能な新規バイオセンサーの開発を目的とする。
研究方法
肝細胞アレイプレート上で、albuminやP450 分子種のmRNA発現量検定。培養細胞に肝毒性を有するヒドラジンを添加。NMR測定用試料とし分析。FLC4のトランスポーターの発現解析。RFB培養で肝臓特異的遺伝子の発現検査。培養肝細胞でHCVの研究。HCVゲノム自律複製細胞中のウイルスゲノムRNAの末端構造の解析。HCVゲノム複製を制御する細胞側因子の解析。
結果と考察
薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサー作製。肝産生蛋白・薬物代謝能、抗HCV薬の薬効評価に適したRFB/HCV実験。肝特異的遺伝子発現及び発現量の確認。細胞アレイプレートによる活性状態傾向を確認。FLC4細胞利用ではalbuminやP450 分子種のmRNA発現量、遺伝子発現に関する肝転写因子のmRNA発現量が大きく上昇を確認。アミノ酸輸送特性の検討し肝細胞型新規アミノ酸トランスポーターLAT3が、FLC4の主要アミノ酸トランスポーターであると確認、高機能保持細胞株特性がアミノ酸トランスポーターの観点からも確認。今後全トランスポーターの網羅的解析、当該チップでのFLC4の薬物トランスポーターの特性を明らかにする。ヒト肝に発現する2つのCES遺伝子の発現様式で肝の分化が推察され、このCES遺伝子の発現時期の違いが、異物代謝における役割の違いと考えた。HCVゲノム自律複製細胞を用いウイルスゲノムの構造を明らかにしウイルスポリメラーゼによる転写開始におけるヌクレオチド選択の冗長性を確認。転写開始機構が試験管内と生体内とで異なることが示唆され、ポリメラーゼによるRNA合成開始を標的にする抗HCV剤の開発には慎重を要する。また、自然免疫がHCV複製を強く制御することを示した。これは、IFN治療で効果の少ない患者の治療に新知見を与えると考える。
結論
高機能保持ヒト肝細胞と新3次元バイオリアクターで新薬開発時薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサー作製。肝産生蛋白・薬物代謝能、抗HCV薬の薬効評価に適したRFB/HCV実験系と肝細胞特異的遺伝子発現の確認をした。

公開日・更新日

公開日
2006-05-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-