国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究

文献情報

文献番号
200500990A
報告書区分
総括
研究課題名
国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究
課題番号
H16-創薬-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
福武 勝幸(東京医科大学病院 医学部・臨床検査医学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
100,498,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本のHIV感染者の数は欧米と比較すると少ないが、感染者数の増加は今なお続いている。HIV感染の病態は進行性で治療が遅れると様々な合併症が出現し、今なお予後が悪いが、近年の治療薬の進歩により適切な治療を行うと予後は劇的に改善する疾患であり、治療薬の早期導入の重要性は高い。この研究は平成8年度より、HIV感染症及びエイズとその症随伴状の治療を日本の臨床現場に迅速に導入するための方策として開始された。
研究方法
日本で未承認の治療薬のうち、分担研究者として参加している専門医が早急に日本で必要と考えた薬剤を医師個人輸入により輸入して、海外の承認条件に基づいて治療に応用し治療成績を収集する形で、薬剤の緊急導入と同時に至適治療法の開発を行うものである。日本では未承認であるが治療上欠くことのできない薬剤を迅速に供給する人道的な役割がある。特殊な環境にある疾患であることから、患者の個人情報の保護には特に注意を払ってている。また、薬剤の使用に当たっては文書による同意を確認している。情報公開のためインターネット上に研究班のホームページを有し、薬剤の情報を患者と医療者双方へ迅速に提供し、最新の治療情報の提供や新規導入薬の情報を提供し医療水準の向上に寄与する。また、臨床試験が困難な薬剤について、迅速に使用経験を収集し日本人特有の問題の有無を探る役割を果たす。
結果と考察
平成8年10月4日から開始したインターネットホームページの利用件数は平成18年3月末日までに約490,000件、この1年間の利用件数は約80,000件となりニーズはかなり高い。平成8年4月1日から平成18年2月28日までに、延べ1,850例へ4,645件の薬剤送付(IFNを除く)が行われた。今年度の申請は61施設から患者数は延べ182(昨年同期213例)であった。ほとんどの症例で薬剤供給の継続申請があり、今年度の薬剤送付件数は470件であった。昨年度より送付が増加した薬剤はDoxil、Mepronであり、カホジ肉腫、カリニ肺炎ともに増加し、承認済み薬剤のみでは治療が困難なためである。
結論
HIV/HIV随伴症の治療薬については今も国内未承認薬があり、承認薬のみでは治療が困難なことから本研究による薬剤の供給は重要な役割を果たしている。多くのHIV随伴症では症例数が少ない試験となるため治療成績の評価には長期間が必要である。

公開日・更新日

公開日
2007-10-09
更新日
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