テーラーメイド医療に向けた不整脈誘起性薬剤の先端的スクリーニング系の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500973A
報告書区分
総括
研究課題名
テーラーメイド医療に向けた不整脈誘起性薬剤の先端的スクリーニング系の開発に関する研究
課題番号
H16-創薬-088
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
西田 基宏(九州大学 大学院薬学研究院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬剤が不整脈を引き起こすかどうかを調べることはきわめて重要になっている。本申請では、先端的な手法を用い薬剤反応性の個人差にも適用可能な不整脈を誘起する薬剤のスクリーニング系の確立を目的とする。
研究方法
本研究では、2つのタンパク質の相互作用を検出する系として使われてきたFRET(Fluorescent Resonance Energy Transfer)を分子内の相互作用を検出する方法として、薬剤によって引き起こされる不整脈の主要な標的と考えられているカリウムチャネル(HERG)に適用することで薬物評価を行う。
結果と考察
前年度に作成したヒトHERG遺伝子のアミノ末端やカルボキシル末端にCYFやYFPを付加したいくつかのキメラHERGコンストラクトが、野生型と同等の機能を有するか調べた。これらキメラHERGタンパクは形質膜に発現し、野生型HERGと同様のチャネル特性を示すことがわかった。しかし、薬剤処置や脱分極刺激を与えてもFRETは確認されなかった。一方、これと並行して、電極付培養ディッシュを用いたラット新生仔心室筋の初代培養細胞の活動電位測定系を確立させ、いくつかの薬剤が活動電位持続時間を延長させることを見出した。
結論
作成したキメラHERGタンパクは、野生型HERGと同様のチャネル特性を保持していたが、刺激によりFRETは観察されなかった。現在、新たなコンストラクトを作成している。また、電極付培養ディッシュを用いた初代培養心筋細胞の活動電位測定法の確立させた。本システムは、初代培養の困難さはあるものの、新たな薬剤スクリーニング法の開発につながる可能性が期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-03-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200500973B
報告書区分
総合
研究課題名
テーラーメイド医療に向けた不整脈誘起性薬剤の先端的スクリーニング系の開発に関する研究
課題番号
H16-創薬-088
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
西田 基宏(九州大学 大学院薬学研究院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬剤が不整脈を引き起こすかどうかを調べることはきわめて重要になっている。本申請では、先端的な手法を用い薬剤反応性の個人差にも適用可能な不整脈を誘起する薬剤のスクリーニング系の確立を目的とする。
研究方法
本研究では、2つのタンパク質の相互作用を検出する系として使われてきたFRET(Fluorescent Resonance Energy Transfer)を分子内の相互作用を検出する方法として、薬剤によって引き起こされる不整脈の主要な標的と考えられているカリウムチャネル(HERG)に適用することで薬物評価を行う。
結果と考察
ヒトHERG遺伝子のクローニングおよびHERG遺伝子のアミノ末端やカルボキシル末端にCYFやYFPを付加したいくつかのキメラHERGコンストラクトの作製を行った。これらキメラHERGタンパクは形質膜に発現し、野生型HERGと同様のチャネル特性を示すことがわかった。しかし、すでにHERG抑制効果が報告されている薬剤の処置によりFRETは観察されなかった。一方、電極付培養ディッシュを用いたラット新生仔心室筋の初代培養細胞の活動電位測定系を確立させ、いくつかの薬剤が活動電位持続時間を延長させることを見出した。
結論
作成したキメラHERGタンパクは、野生型HERGと同様のチャネル特性を保持していたが、薬剤によりFRETを惹起できなかった。引き続き新しいコンストラクトを作成している。一方、電極付培養ディッシュを用いた初代培養心筋細胞の活動電位測定法を確立させ、画期的な不整脈誘発薬剤のスクリーニング系につながる可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2006-03-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500973C

成果

専門的・学術的観点からの成果
薬剤が不整脈を引き起こすかどうかを調べることはきわめて重要になっている。本研究では、薬物-チャネルタンパク相互作用を蛍光的に定量評価するという先端的な手法を用い、薬剤反応性の個人差にも適用可能な不整脈を誘起する薬剤のスクリーニング系を確立させようとする最初の試みである。蛍光タンパクをHERGチャネルに付加させてもチャネルそのものの電気的特性が変わらないことを示した事は、本システムの今後の発展に大きく貢献するものと期待される。
臨床的観点からの成果
本研究により得られる成果は、動物を使わないスクリーニングの代替法としてのみならず、薬剤による副作用を軽減するという患者への直接的な効果、新規薬剤を開発する際のスクリーニングコストを下げる効果、あるいは副作用により生じる個人の社会活動の喪失からくる社会的生産性の低下を防ぐ効果など考えられる。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-