臍帯血移植患者へのドナーリンパ球輸注療法(DLI)の実用化

文献情報

文献番号
200500950A
報告書区分
総括
研究課題名
臍帯血移植患者へのドナーリンパ球輸注療法(DLI)の実用化
課題番号
H16-創薬-048
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 成悦(国立成育医療センター研究所母児感染研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 清水則夫(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
  • 森尾友宏(東京医科歯科大学医学部)
  • 清河信敬(国立成育医療センター研究所)
  • 熊谷昌明(国立成育医療センター)
  • 麦島秀雄(日本大学医学部)
  • 加藤剛二(名古屋第一赤十字病院)
  • 伊藤仁也(先端医療センター)
  • 寺嶋一夫(東京医科歯科大学医学部)
  • 関根暉彬(株式会社リンフォテック)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
23,540,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究目的=臍帯血移植患者に対して、活性化臍帯血T細胞を用いたドナーリンパ球輸注療法(臍帯血DLI)を実用化するために基礎研究を行った。
研究方法
研究方法=以下の各研究項目につき方法を示す。
1.臍帯血DLIモデルマウスの作製:①NOD / Ltz / SCIDマウスにEBV感染リンパ芽球様細胞を移植した。②NOD/SCID/γc-/-マウス(NOGマウス)にヒト臍帯血造血幹細胞を移植しヒト免疫系を再構築し、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)を感染させた。また脾臓および骨髄より分離したBリンパ球にEBウイルス(EBV)を感染させた。
2.臍帯血DLIの安全管理法の開発:定量的PCR機(LightCycler)を使用し、Hybriprobe法により多種ウイルスを同時に検出・定量した。
3.臍帯血DLIの臨床パイロット研究:臍帯血移植後、生着不全や感染症などをきたした3症例に対して、臍帯血DLIを行った。
結果と考察
結果と考察=以下の研究項目毎に結果と考察を示す。
1.臍帯血DLIモデルマウスの作製:①NOD / Ltz / SCIDマウスにEBV感染リンパ芽球様細胞を移植することにより、白血病モデルが作製され、臍帯血DLIの動物モデルとしての応用が可能であると考えられた。②ヒト臍帯血造血幹細胞移植NOGマウスではHIV感染が成立した。また同マウスの脾臓より分離したB細胞はEBVにより不死化することが可能であり、同マウスにおけるin vivo感染が可能であることが強く示唆された。
2.臍帯血DLIの安全管理法の開発:18種類のウイルスの測定を合計5本のキャピラリーで行うマルチプレックスPCR系が作製され、臍帯血DLIの安全管理への応用が可能となった
3.臍帯血DLIの臨床パイロット研究:臍帯血移植後に生着不全や感染症となった3症例に対し臍帯血DLIを行い、この治療法の有効性と安全性を示唆する結果を得た。
結論
結論=臍帯血DLI実用化のための基礎研究として、ヒト白血病およびヒトウイルス感染症モデルマウスの作製、および多種ウイルス迅速検出法の開発などを行った。また、臍帯血DLIの臨床パイロット研究を行い、その有効性と安全性を示唆する結果を得た。

公開日・更新日

公開日
2006-05-15
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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