生物由来製品のウイルス安全性に関する基盤研究

文献情報

文献番号
200500946A
報告書区分
総括
研究課題名
生物由来製品のウイルス安全性に関する基盤研究
課題番号
H16-創薬-044
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 小紫 嘉一(日本ケミカルリサーチ株式会社先端医療研究センター)
  • 宮本 誠二(財団法人化学及血清療法研究所)
  • 猶塚 正明(持田製薬株式会社製剤研究所)
  • 村田 充弘(JSR株式会社筑波研究所)
  • 宮澤 宏(徳島文理大学香川薬学部)
  • 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物由来製品のウイルス安全性に関しては、その製造に用いる原材料も含めたウイルス混入のリスク、ウイルススクリーニングや製造工程でのリスク低減措置、投与方法等を含めて総合的にリスク評価を行う必要性がある。本研究は、生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤技術開発及びウイルスリスクの評価を適切に行うための基盤技術開発を行い、ウイルスリスクの評価法の提示やリスクを低減化するための基本方策を提示することを目的とする。
研究方法
1)生物由来製品のウイルスの高感度検出法の開発、2)ウイルス安全性評価試験としての核酸増幅検査(NAT)の確立・評価に関する研究、3)ウイルス除去技術の開発、4)ウイルス不活化技術の開発、5)ウイルスの不活化・除去工程のクリアランス能の評価に関する研究を実施した。
結果と考察
1-1)ウイルス検出の高感度化を目的とするポリエチレンイミン(PEI)磁気ビーズによるウイルス濃縮は磁気ビーズの粒径が小さいほど高効率であることを明らかにした。また生物由来製品の安全性確保上問題となるヒト感染性ウイルスのHAV, HBV, HCVが全てPEI磁気ビーズにより効率よく濃縮できることを明らかにした。1-2)ウイルスゲノムの高感度検出法としてウイルスの遺伝子配列情報を利用した新プローブキャプチャー法のハイブリダイゼーション条件を決定し、ゲノムDNAの定量的回収を確認した。2)E型肝炎ウイルスに対して確立したNAT試験法のバリデーションを実施し、試験法の妥当性を確認した。また、HIV-2のNAT試験法を確立し、遺伝型が異なるHIV-2に対しても同等の検出感度を持つことを示した。3)PEI結合カラムのウイルス除去カラムとしての適用可能性を検討した。その結果、ウイルスは吸着するがタンパク質は結合するものとしないものに分類可能であり、生物由来製品の適用できる可能性が示された。4)ペンタデカフルオロオクタン酸がエンベロープウイルスに対して高い不活化効果を示し、ウイルス不活化工程として有用である可能性を明らかにした。5)尿由来製品の製造工程中の液状加熱処理工程及びろ過工程(ナノフィルトレーション)のウイルスクリアランス能を評価し、製品の安全性が確保されていること、小型非エンベロープウイルスに対するタンデムろ過工程の有用性を明らかにした。
結論
生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤となる技術開発が進展した。

公開日・更新日

公開日
2006-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-