コネキシン遺伝子の癌抑制機能の網羅的解析;癌予防および治療への応用

文献情報

文献番号
200500928A
報告書区分
総括
研究課題名
コネキシン遺伝子の癌抑制機能の網羅的解析;癌予防および治療への応用
課題番号
H16-創薬-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
矢野 友啓(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 洋(関西学院大学 理工学部 )
  • 斉藤 豪(札幌医科大学 医学部)
  • 朝元 誠人(名古屋市立大学 医学部)
  • 浅野 隆司(日本大学 獣医学科)
  • 石橋 直人(日研化学株式会社 医薬研究所)
  • 三浦 大作(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
  • 栗下 昭弘(日本アムウエー株式会社 技術部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
Cx(コネキシン)遺伝子の臓器特異的な癌抑制機構を細胞レベルで解析するグループ、Cx遺伝子の癌抑制機構を臨床材料や病態モデルを用いてin vivoで解析するグループ、Cx遺伝子を標的とした癌化学予防・治療法の構築の可能性を探るグループ、Cx遺伝子の発現や機能を指標にした癌化学予防物質や非変異原性発癌物質の鋭敏で特異性の高いスクリーニング法を開発するグループの4グループを構成し、機能的な研究を遂行し、Cx遺伝子の特異的な癌抑制機能を使った臓器別および転移癌に対する化学予防および治療法を構築することを目指す。
研究方法
各Cx遺伝子およびその各種変異体を発現させた癌細胞株を樹立し、婦人科癌の手術材料、新たに樹立した癌転移マウスモデル、Cx32 dominant-negative mutantを肝臓特異的に発現させたトランスジェニックラットおよび犬乳腺腫瘍発生モデルを用いて、Cx遺伝子の役割を生化学・分子生物学・組織科学的に解析すると同時に、Cx遺伝子を標的とした癌化学予防・治療法の構築の可能性を検討した。また、in vitroでCx遺伝子のGJIC機能を評価するハイスループット法の確立を行うと同時に、多臓器同時発癌モデルを用いてin vivoでのCx遺伝子の機能評価に非変異原性発癌物質を迅速かつ的確にスクリーニングする方法の確立を目指した。
結果と考察
各Cx遺伝子の癌抑制機能の新しい側面(AP26によるCx26の癌抑制機能の制御;Cx32によるSrc活性化抑制;semaphorin3FによるCx43癌抑制機能の制御)がいくつかの癌病態で明らかにされてきており、その新たな癌抑制機能に立脚した新たな癌予防・治療法の構築の可能性が示された。Cx遺伝子の発現・機能を指標にした癌予防および非変異原性発癌物質を迅速かつ的確にスクリーニングする方法が一部確立され、その確立されたスクリーニング法を使った新たな癌予防・治療成分の絞り込みが可能になってきた。
結論
Cx遺伝子の新たな癌抑制機能が明らかにされつつあり、そのCx遺伝子の癌抑制機能に立脚した新たな癌予防・治療法の構築に有用であることが一部の癌(腎臓癌等)で明確に示された。また、Cx遺伝子の発現・機能を指標にした癌予防物質および非変異原性発癌物質を迅速かつ正確にスクリーニングする方法論の確立が進展すると同時に、その有用性が示された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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