核酸封入ナノカプセルによるウイルス消毒薬、抗ウイルス薬の創薬に関する研究

文献情報

文献番号
200500912A
報告書区分
総括
研究課題名
核酸封入ナノカプセルによるウイルス消毒薬、抗ウイルス薬の創薬に関する研究
課題番号
H16-創薬-063
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
武田 直和(国立感染症研究所ウイルス第2部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡 智一郎(国立感染症研究所ウイルス第2部)
  • 小沼 博隆(東海大学海洋学部)
  • 徳田 一(花王株式会社安全評価研究センター)
  • 日置 祐一(花王株式会社C&S事業部)
  • 小澤 一弘(中部衛生検査センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 既存の消毒薬および、新規消毒薬を用いたノロウイルス(NoV)、サポウイルス(SaV)の効果的な不活化薬の検索と創薬、感染予防方法の構築を行うとともに、新規約剤のスクリーニングおよび実用化を目指した。
研究方法
NoV、SaVの構造蛋白質(capsid)をコードする遺伝子領域をバキュロウイルスに組込み、組換えバキュロウイルスを用いた昆虫細胞による蛋白質発現系によってウイルス様粒子(VLPs)を作出した。VLPsはウイルス粒子と同等の抗原性を有するなど、表面構造がほぼ等しく、ウイルス粒子のモデルとしてウイルス消毒薬の検討にも使用し得る。さらに、その内部にレポーター遺伝子を組み込んだ疑似ウイルスナノカプセルの作出を試みた。
結果と考察
NoVはゲノグループI(GI)、 GIIの2つのゲノグループに分別され、それぞれ14種類、17種類の互いに抗原性の異なるゲノタイプから構成されている。本年度はゲノグループIに関してはGI/1,ゲノグループIIに関してはGII/14VLPを大量に発現させることに成功した。また、共同研究者である中部検査センターでも、VLPの大量合成が出来るよう、技術指導及び移転を行った。GI/1およびGII/14のVLPは、それぞれ約1mgを作出した。花王株式会社では、VLPを用いて粒子形状を測定する方法の検討を開始した。SaVについては、世界で初めてSaV GIIとGVのVLPsの作出と精製に成功した。しかし、SaVのVLPの収量はNoVのそれに比べ1/10程度であり、現状では本研究の用途に使用するには十分ではない。今後、収量の増加を試みる必要がある。
結論
 NoV VLPの供給体制は整い、供給を開始したが、SaV VLPの供給には収量の改善が必須である。また、核酸を内包したナノカプセルの作出にはさらなる検討が必要である。来年度は、NoV、SaVに近縁なネコカリシウイルスの培養を行い、供給体制を整える。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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