高度分析評価技術を応用した医薬品製剤開発および製造工程管理手法の研究

文献情報

文献番号
200500907A
報告書区分
総括
研究課題名
高度分析評価技術を応用した医薬品製剤開発および製造工程管理手法の研究
課題番号
H16-創薬-038
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 寺田 勝英(東邦大学 薬学部)
  • 伊豆津 健一(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 小出 達夫(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 岩本 清(エーザイ 製剤研究所)
  • 上田 聰(アステラス製薬 製剤技術研究所)
  • 播磨 武(ファイザー 名古屋工場)
  • 高嶋 武志(パウレック)
  • 森島 健司(参天製薬 )
  • 中西 敏和(塩野義製薬 生産技術研究所)
  • 浮田 辰三(田辺製薬 製薬研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 科学的な検証・管理をもとに優れた品質の医薬品を恒常的に生産出来る製造プロセスを構築することは、医薬品の有効性、安全性を確保する上での重要な研究課題である。本研究は平成16年度より、医薬品製造における優れた科学的品質保証を行うことを目的として、医薬品の製品設計段階及び実製造プロセスにおける評価に関する課題のスクリーニングを行い、その結果に基づき有用性が高いと思われる手法を選び、評価を行ってきた。本年度はさらに詳細な検討を行った。
研究方法
製造工程内でのin-line制御として、ラマン分光法を用いた晶析時の結晶転移現象のモニタリング、近赤外を用いた打錠およびカプセル充填の終点確認法、工程中の主薬定量、造粒工程のモニタリング、迅速微生物試験法の検討を行った。
製剤設計開発として、近赤外分光法を用いた、眼軟膏、非晶質医薬品、徐放性製剤の設計開発及び工程管理について検討を行った。また、原薬の結晶形態と表面物性についてフェニトインを用いて検討を行った。
逸脱管理、不具合の原因調査として、打錠障害について光学分析機器を用いた評価を行った。また、近赤外イメージングシステムを用いた医薬品評価に関する基礎的検討を行った。
結果と考察
晶析時の結晶転移現象においてラマン分析法で製造工程管理できることが示唆された。近赤外分光法を利用した、主成分の定量、打錠及びカプセル充填の終点確認法、造粒モニタリングの可能性も示唆された。微生物試験の迅速化の可能性も示唆された。
近赤外分光法を用いることにより、眼軟膏、非晶質医薬品、徐放性製剤の設計開発及び工程管理に応用できる可能性が示唆された。また、フェニトインの結晶形態と溶出性の関連について明らかとした。
近赤外イメージングシステムやその他の顕微技術を用いることにより、製剤に関する種々の化学的情報を得られることが明らかとなった。
結論
本研究で取り上げた手法は、医薬品規制調和国際会議(ICH )Q8ガイドラインの目指す高度な品質管理を可能にする分析技術として考えられ、本研究の結果より、実用化へある程度の目処がついてきたと考えられる。
 本研究の成果が普及することにより、より信頼度の高い医薬品製剤設計、よりメカニズムを理解した、明確な製造工程管理が可能となり、企業、行政双方に多大なメリットをもたらすと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2006-05-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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