バイオフォトニクスを利用した細胞組織障害を視る、測る、解析する技術の開発

文献情報

文献番号
200500903A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオフォトニクスを利用した細胞組織障害を視る、測る、解析する技術の開発
課題番号
H16-創薬-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村 久子(田辺製薬株式会社 薬物動態研究所)
  • 小林 薫(三菱ウェルファーマ株式会社 蛋白質研究所)
  • 古田 寿昭(東邦大学 理学部)
  • 大幡 久之(昭和大学 薬理部)
  • 今泉 祐治(名古屋市立大学 薬学部)
  • 重信 弘毅(東邦大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,560,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
疾病治療用医薬品の創薬において最も重要な基盤技術の一つとして、疾患に伴って生じる細胞組織障害を解析する技術があげられる。本研究は、細胞機能に係る生体内パラメータに対する感受性蛍光プローブを開発・利用することにより、細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法を確立し、創薬シーズ探索のためのハイスループットスクリーニング、医薬品候補化合物のセレクション、タンパク質性医薬品の品質(生物活性)評価等への応用を目指す。
研究方法
研究は、(1)細胞組織障害を解析するためのバイオフォトニクスプローブの開発(2)バイオフォトニクスプローブ使用に最適化した解析機器の開発(3)開発されたプローブおよび解析機器の生体への応用技術の開発、の3つの視点から行う。
結果と考察
バイオフォトニクスプローブの開発: カスパーゼ活性検出用FRETプローブを用いて小胞体ストレスによる細胞組織障害の解析を行うと共に、小胞体ストレス関連のカスパーゼの活性化を解析するための新規プローブ作製を開始した。また、タンパク質の機能制御を行うケージド化合物としてPKCのトランスロケーション制御を行う化合物を開発し、細胞集団の中の一部の細胞のみで任意のタンパク質の機能を調節可能であることを示した.また、ケージド化合物の局所活性化のための検討を行った。
解析系の開発: 張力測定等、従来の方法でその反応性を評価するのは困難であった微小血管の収縮反応性、さらには、そのカルシウム動態との連関を評価する系を確立した。また、SK2チャネルとRyR3を共発現させることにより、Ca2+振動を細胞間の信号伝播が可能なペースメーカー電位へと変換することが出来るK+チャネル関連細胞機能障害解析細胞系を開発した。さらに心筋細胞膜およびミトコンドリアの各種K+チャネルに対する作用を検出する系を構築し解析を行った。
応用技術の開発: ラット初代培養肝細胞におけるin vitro肝毒性検出系として薬物の酸化ストレス・脂肪蓄積誘発のプロファイリング/スクリーニング系開発を行った.また、タンパク質生産用細胞基材として有用なアポトーシス誘導試薬耐性の細胞を取得し、蛍光プローブによるモニタリングを行った。
結論
バイオフォトニクスプローブを開発・利用することにより、細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法を開発し、創薬支援技術となりうることを示す成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2006-04-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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