文献情報
文献番号
200500895A
報告書区分
総括
研究課題名
siRNA発現ライブラリーによる新興・再興感染症の原因ウイルスの複製に必須な遺伝子の検索および創薬への応用
課題番号
H16-創薬-064
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
森川 茂(国立感染症研究所ウイルス第一部)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 要介((株)ジェノファンクション・研究部)
- 高崎 智彦(国立感染症研究所ウイルス第一部)
- 水谷 哲也(国立感染症研究所ウイルス第一部)
- 倉根 一郎(国立感染症研究所ウイルス第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、全遺伝子を対象とした網羅的なsiRNA発現ライブラリーの作製技術が開発された。本研究は、SARS・西ナイル熱・ヒトサル痘などの重篤な新興・再興ウイルス感染症に係るウイルスの増殖に必須な細胞遺伝子を同定しこれらの発現を効率良く阻害するsiRNAを新しい抗ウイルス薬として開発することを最終目的とする。
研究方法
標的細胞の遺伝子の網羅的なレンチウイルス搭載型siRNA libraryを構築し、導入効率を検討した。蚊の幼虫へのJNKのsiRNAの効率的導入法による脱皮阻害を検討した。Vero E6細胞へのsiRNAの効率的導入法を検討した。レンチウイルスベクターによる網羅的siRNA libraryを導入した細胞にSARS・西ナイル熱・ワクチニアウイルスを感染させ、細胞障害活性の抑制効果を検討した。
結果と考察
標的細胞の遺伝子の網羅的なレンチウイルス搭載型siRNA libraryが作製できた。導入効率の良いACE2発現HeLa細胞でsiRNA library発現細胞を作製した。Vero E6細胞へのsiRNAの効率的導入法を確立した。蚊の幼虫への効率的なsiRNA導入法を確立し、JNK-siRNAにより幼虫の脱皮を阻害できたことから、西ナイルウイルスを媒介する蚊をsiRNAでコントロールできることが示唆された。また、網羅的siRNA libraryを導入したACE2発現HeLa細胞では、ワクチニアウイルス感染後に、生存細胞が確認され、アポトーシス関連遺伝等いくつかの遺伝子が同定された。
結論
レンチウイルスベクターを用いたsiRNA library導入細胞は、ワクチニアウイルスによる細胞変性効果を遅延した。また、西ナイルウイルスのベクターである蚊のJNKのsiRNAの効率的導入法により幼虫の脱皮過程を阻害できた。siRNAの効率的導入法を検討し、候補遺伝子のsiRNAによる効果を解析する系を確立した。
公開日・更新日
公開日
2006-04-10
更新日
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