食品添加物等の新機能性に関する研究

文献情報

文献番号
200500893A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物等の新機能性に関する研究
課題番号
H16-創薬-053
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
広瀬 雅雄(国立医薬品食品衛生研究所 病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 津田 洋幸(名古屋市立大学大学院医学研究科 生体機能分子医学)
  • 今井田 克己(香川大学医学部 病態病理学 生体防御医学講座)
  • 鈴木 幸雄(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 学術部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々が新たに開発したDMHとデキストラン硫酸(DSS)の組合せ投与によるラット大腸中期発がん性試験法、ヒトプロト型c-Ha-rasを導入したラット乳腺発がん高感受性モデル及びDEN投与と部分肝切除を応用したラット肝中期発がん性試験法を用いて、既存添加物のがん予防作用をスクリーニングすることを目的としている。今年度は、フラボノイドであるa-グリコシルイソクエルシトリンを主成分とする酵素処理イソクエルシトリンとミリシトリンを有効成分とするヤマモモ抽出物について、大腸あるいは肝中期試験法により検討した。また、昨年度に乳腺発がん高感受性モデルにおいて発がん抑制作用を示したムラサキトウモロコシ色素について、同ラットの乳腺腫瘍由来細胞株を樹立し、細胞増殖及びアポトーシス誘導に及ぼす影響を検討した。
研究方法
(1)大腸:F344雄ラットにDMH(40mg/kg体重)を1週間に3回皮下投与した後、DSS(1%)を1週間飲水投与し、第4週より酵素処理イソクエルシトリンあるいはヤマモモ抽出物を0、0.01、0.1及び1%濃度で10及び20週目まで混餌投与し、大腸粘膜の病理組織学的検索を行った。(2)肝臓:F344雄ラットにDEN(200mg/kg体重)を1回腹腔内投与し、2週後から酵素処理イソクエルシトリンを大腸実験と同濃度で混餌投与し、実験3週目で2/3肝部分切除を行った。実験は8週で終了し剖検して肝臓を摘出、肝の前癌病変であるGST-P陽性細胞巣を定量的に解析する。(3)乳腺:樹立した細胞株に対しムラサキトウモロコシ色素を2mMから約2mMの濃度で培地に添加し、細胞増殖及びアポトーシス誘発について検討した。
結果と考察
(1)大腸:実験10週目では、腫瘍性病変の発生状況に対する被験物質の明らかな影響はみられなかった。(2)肝臓:実験8週目であり、実験を継続している。(3)乳腺:ムラサキトウモロコシ色素添加24時間後の細胞数は濃度依存的に減少した。また、24時間処理後、DNAの分解は確認されたが、明らかな断片化は観察されなかった。
結論
酵素処理イソクエルシトリンとヤマモモ抽出物の大腸及び肝に対する発がん抑制作用については実験を継続しており、20週の結果をみて最終評価する。また、ムラサキトウモロコシ色素は、遺伝子導入ラットの乳腺腫瘍由来細胞株に対し、細胞増殖抑制作用を示した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-25
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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