アレルゲンによる室内環境汚染の実態を評価する方法、および汚染の制御方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500892A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルゲンによる室内環境汚染の実態を評価する方法、および汚染の制御方法の開発に関する研究
課題番号
H16-創薬-049
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
安枝 浩(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 榎本 雅夫(日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科)
  • 岸 幹二(公立藤田総合病院小児科)
  • 横須賀 道夫(花王株式会社ハウスホールド研究所)
  • 小島 晋(三菱重工業株式会社名古屋研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国における室内環境アレルゲンとして特に重要なヒョウヒダニ(以下ダニ)と室内へ持ち込まれるスギ花粉を主な対象として,室内生活環境のアレルゲンによる汚染の実態,曝露の実態の解析を行い,それらの解析から得られた知見をもとにして,汚染,曝露の回避策やその低減化に寄与する制御技術を開発する。さらにそれらの方策の臨床的有用性を検証する。
研究方法
一般家庭室内の床面,寝具から掃除機法によるダストサンプリング,寝具表面,居住者の皮膚表面からの「テープ法」によるサンプリングをさまざまな条件下で実施した。また,室内空気中からエアサンプラーとともに「鼻サンプラー」によるサンプリングを行った。得られた試料中のダニアレルゲンDer 1量(Der p 1とDer f 1の合計量),スギ花粉アレルゲンCry j 1量は,寝具塵,室内塵については比色法ELISAで測定し,テープ法でサンプリングした試料,エアサンプリングした試料については高感度蛍光ELISAで測定した。
結果と考察
さまざまなサンプリング方法で室内環境中のダニ,スギ花粉アレルゲンによる汚染,曝露を評価した結果,(1) 一定の条件で寝具から発塵させたときの「鼻サンプラー」による捕集Der 1量は,室内空気中Der 1濃度とよく相関する,(2) 静電霧化装置付き空気清浄機は室内塵中のダニアレルゲンを不活化できる可能性がある,(3) 喘息児への防ダニフトンカバーの使用は寝具のダニ汚染量を大幅に低減させたが,臨床的に有効であるかどうかは明確でない,(4) 室内へのスギ花粉の侵入量は換気時間,窓の開口の程度,レースカーテン使用の有無などに大きく依存する,また侵入した大半の花粉は窓際に局在する,(5) 空気清浄機やエアコンの使用により空気中Der 1濃度の減衰が促進されるが,減衰の促進には内部フィルターの有無は無関係である,ということが明らかになった。
結論
新開発のサンプリング方法と,それらサンプル中のDer 1量,Cry j 1量をELISAで測定するという方法を駆使して評価することにより,室内生活環境中のダニ,スギ花粉による汚染の実態や曝露の実態に関して新規の知見を得ることができた。さらに,その制御技術の開発についても進展が見られた。

公開日・更新日

公開日
2006-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200500892B
報告書区分
総合
研究課題名
アレルゲンによる室内環境汚染の実態を評価する方法、および汚染の制御方法の開発に関する研究
課題番号
H16-創薬-049
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
安枝 浩(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 榎本 雅夫(日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科)
  • 岸 幹二(公立藤田総合病院小児科)
  • 横須賀 道夫(花王株式会社ハウスホールド研究所)
  • 小島 晋(三菱重工業株式会社名古屋研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国における室内環境アレルゲンとして特に重要なヒョウヒダニ(以下ダニ)と室内へ持ち込まれるスギ花粉を主な対象として,室内生活環境のアレルゲンによる汚染の実態,曝露の実態の解析を行い,それらの解析から得られた知見をもとにして,汚染,曝露の回避策やその低減化に寄与する制御技術を開発する。さらにそれらの方策の臨床的有用性を検証する。
研究方法
一般家庭室内の床面,寝具から掃除機法によるダストサンプリング,寝具表面,居住者の皮膚表面からの「テープ法」によるサンプリングを多様な条件下で実施した。また,室内空気中からエアサンプラーとともに「鼻サンプラー」によるサンプリングを行った。得られた試料中のダニアレルゲンDer 1量(Der p 1とDer f 1の合計量),スギ花粉アレルゲンCry j 1量は,必要に応じて比色法ELISAと高感度蛍光ELISAを使い分けて測定した。
結果と考察
室内環境中のダニ,スギ花粉アレルゲンによる汚染,曝露を多様な条件下で評価した結果,(1) 「テープ法」による寝具表面,皮膚表面Der 1量は簡便な,また「鼻サンプラー」による捕集Der 1量は正確なダニアレルゲン個人曝露量の評価方法になる可能性がある,(2) 静電霧化装置付き空気清浄機の使用により室内塵中のダニアレルゲンの不活化がみられたがそのメカニズムは不明である,(3) 喘息児への防ダニフトンカバーの使用は寝具のダニ汚染量を大幅に低減させたが,臨床的に有効であるかどうかは明確でない,(4) フローリングはカーペットよりも汚染のレベルが著しく低いにもかかわらず,掃除機掛けの時に空気中に発生するアレルゲン量,すなわち曝露量には差がない,(5) 室内へのスギ花粉の侵入量は換気時間,窓の開口の程度,レースカーテン使用の有無などに大きく依存する,また侵入した大半の花粉は窓際に局在する,(6) 空気清浄機やエアコンの使用により空気中Der 1濃度の減衰が促進されるが,減衰の促進には内部フィルターの有無は無関係である,(7) 測定したすべての自家用車内からダニ,スギ花粉アレルゲンが検出され,車両内のアレルゲンによる汚染にも注意を払う必要がある,ということが明らかになった。
結論
新開発のサンプリング方法と,それらサンプル中のDer 1量,Cry j 1量をELISAで測定するという方法を駆使して評価することにより,室内生活環境中のダニ,スギ花粉による汚染の実態や曝露の実態に関して新規の知見を得ることができた。さらに,その制御技術の開発についても進展が見られた。

公開日・更新日

公開日
2006-03-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500892C

成果

専門的・学術的観点からの成果
新たに開発した「テープ法」,「鼻サンプラー」による試料のサンプリングと,高感度蛍光ELISAによる試料中の微量アレルゲン定量法を組み合わせたアレルゲン測定システムは,室内環境アレルゲン個人曝露量の評価に利用できる可能性を示した。
臨床的観点からの成果
新たに開発した「テープ法」,「鼻サンプラー」による試料のサンプリングと,高感度蛍光ELISAによる試料中の微量アレルゲン定量法を組み合わせたアレルゲン測定システムは,患者個人の曝露の実態を的確に捉えることができ,アレルゲン曝露に対する具体的対応策の実施に活用できる。
ガイドライン等の開発
特記事項なし
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
本研究で得られたアレルゲン汚染・曝露の実態に関する基礎データは、メーカーにおける各種アレルギー対策商品の開発に応用されている。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
9件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
26件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-