強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

文献情報

文献番号
200500867A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
H17-難治-030
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 和彦(金沢大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 宮園 浩平(東京大学大学院医学系研究科)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 佐藤 伸一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 尹 浩信(熊本大学大学院医学薬学研究部)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属病院膠原病リウマチ痛風センター)
  • 長谷川 稔(金沢大学医学部附属病院)
  • 後藤 大輔(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 高橋 裕樹(札幌医科大学附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては1)免疫異常,血管障害,サイトカイン及びコラーゲン代謝異常の3つを関連づける一元的病因仮説の完成。2)強皮症疾患モデルマウスの確立とそれを用いた新規治療薬のスリーニング。3)致死的病態である活動性間質性肺炎及び肺高血圧症及び血管病変に対する既存薬による治療法の確立を主たる活動とした。
研究方法
1)サイトカイン注入による皮膚線維化モデル及び自然発症強皮症モデルマウスであるTSKマウスにおいて。種々の治療薬又は治療ターゲットをスクリーニングした。2)活動性間質性肺炎に対しては,シクロフォスファミドパルス療法の有効性を,肺高血圧症に対しては,ボセンタン及びクエン酸シルディナフィルの有効性を複数(内科及び皮膚科)の施設で検討した。
結果と考察
1) 病因仮説について得られた主たる研究を列挙する。・世界に先駆けて本症におけるB細胞異常に1)関してBAFFの関与を見い出した(佐藤班員,長谷川班員)。・強皮症における血管内皮前駆細胞の減少と分化障害を見い出し,シクロフォスファミドパルス療法及びスタチン療法で改善される事を見い出した(桑名班員)。・本症の線維化におけるTGF-βとCTGFの作用機序について明らかにし,DNA免疫法による抗CTGFモノクローナル抗体を樹立した(竹原主任研究者)。・本症由来の培養皮膚細胞線維芽細胞におけるTGF-βレセプターの発現亢進及びSmadシグナルの異常の詳細を明らかにした(尹班員)。2)早期重症例計126例の4年間のデータが集積され,詳細に検討された。3)3つの強皮症疾患モデルが確立され,種々の薬剤の効果が確認された。4)活動性間質性肺炎に対してはシクロフォスファミドパルス療法が,肺高血圧症に対してはクエン酸シルディナフィル及びエンドセリンレセプター阻害薬であるボセンタン内服療法が有用であることが,皮膚科,内科の複数の施設より報告された(竹原主任研究者,川口班員,桑名班員)。
結論
新規治療法の開発に向けて,動物モデル及び臨床の場において様々な試みが進行中である。

公開日・更新日

公開日
2006-05-11
更新日
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