稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500866A
報告書区分
総括
研究課題名
稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究
課題番号
H17-難治-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
北島 康雄(岐阜大学大学院医学系研究科病態制御学講座皮膚病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 橋本 隆(久留米大学医学部皮膚科)
  • 天谷 雅行(慶應義塾大学医学部皮膚科)
  • 岩月 啓氏(岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学)
  • 許 南浩(岡山大学大学院医歯学総合研究科細胞生物学分野)
  • 小宮根真弓(東京大学医学部附属病院皮膚科)
  • 清水宏(北海道大学大学院医学研究科皮膚粘膜病学分野)
  • 橋本公二(愛媛大学医学部皮膚科)
  • 金田安史(大阪大学医学系研究科分子治療学遺伝子治療学)
  • 池田志斈(順天堂大学医学部皮膚科)
  • 山本明美(旭川医科大学皮膚科)
  • 黒沢 美智子(順天堂大学医学部衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成17年度からの3年計画によって、①天疱瘡、②膿疱性乾癬、③表皮水疱症、④水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の4疾患(①②③は難病指定)について診断基準の見直し、疫学的研究(特定治療研究対象疾患臨床調査個人票データベース利用)による患者数と治療状態の実体の把握、さらに原因遺伝子と臨床表現型との相関の解析、原因遺伝子、自己抗体産生から発症までの機序の分子生物学的解明、よって重症度判定、治療法、治療指針の改良と開発を研究目標とする。
研究方法
上記4疾患について、倫理面で十分な配慮がなされた上で各分担研究者が協力し、全国的規模での疫学的研究、症例の相互検討による治療とQOLの評価さらにゲノムワイドな遺伝子相関解析を行った。また、分担研究者が担当の疾患の分子病態の解明、治療法の開発を行った。
結果と考察
1)①天疱瘡:病原性抗Dsg3 モノクローナル抗体、病原性T細胞株の樹立、抗体結合によるDsg3の消失を証明したが、抗体発生と水疱形成機序が不明。治療指針が不十分。患者QOL実態が不明。②膿疱性乾癬:病因、発症機序、QOL実態は不明(1部解析)。治療指針の再評価必要。③表皮水疱症:病因遺伝子7型コラーゲン変異による臨床分類の見直し、治療法の開発、出生前診断法の確立とその指針、倫理規定の基礎を17年度に確立したが、本格的研究必要。④水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症:病因ケラチン遺伝子変異と臨床型の関係、診断基準、疫学、治療法については全く不明で研究を開始した。
2)特定治療研究対象疾患臨床調査個人票データベースを用いた解析については、①天疱瘡、②膿疱性乾癬、③表皮水疱症について平成17年9月末に平成13ー16年度全国の個人調査票の利用許可とデータを入手した。このうち、特定疾患個人票と乾癬登録データを用いた疫学的調査と,QOL二次調査解析で膿疱性乾癬患者群の特徴を一部明らかにした。天疱瘡については、平成16年9月にデータの利用申請を行い、入手したデータで分析を開始した。H16年度新規150例の内、判定基準を満たしていたのは121例、重症度は新規の方が更新者よりも高いことを確認した。さらに、18年度に解析を行う。
結論
上記4疾患についての本年度から3年計画による研究目的に沿ってたてられた第1年度の研究目標は、研究は上記の方法、結果と考察にまとめたようにほぼ達成されたと考える。

公開日・更新日

公開日
2006-05-11
更新日
-