運動失調症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500845A
報告書区分
総括
研究課題名
運動失調症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
西澤 正豊(新潟大学脳研究所神経内科)
研究分担者(所属機関)
  • 辻 省次(東京大学医学部附属病院)
  • 服部 孝道(千葉大学大学院医学研究院)
  • 小野寺 理(新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター)
  • 中島 健二(鳥取大学医学部)
  • 湯浅 龍彦(国立精神・神経センター国府台病院)
  • 貫名 信行(理化学研究所脳科学総合研究センター)
  • 磯崎 英治(東京都立神経病院)
  • 糸山 泰人(東北大学大学院医学系研究科)
  • 矢澤 生(国立長寿医療センター)
  • 小牟禮 修(国立療養所宇多野病院)
  • 永井 義隆(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院医学研究院)
  • 黒岩 義之(横浜市立大学大学院医学研究科)
  • 和田 圭司(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院医学研究科)
  • 瀧山 嘉久(自治医科大学)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 高嶋 博(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 吉田 邦広(信州大学医学部)
  • 山田 光則(新潟大学脳研究所病理学分野)
  • 水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院脳神経機能病態学)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院)
  • 加藤 俊一(東海大学医学部基盤診療学系)
  • 加我 牧子(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 鈴木 康之(岐阜大学医学部医学教育開発研究センター)
  • 今中 常雄(富山大学薬学部分子細胞機能学)
  • 加知 輝彦(国立長寿医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、運動失調を主症状とする脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、および副腎白質ジストロフィー、ペルオキシソーム病を対象として、わが国における実態を明らかにし、その病態を解明して、病態機序に基づいた新たな治療法を確立することにより、これらの難治性疾患を克服することを目的とする。
研究方法
本研究班は今年度次の4つの研究プロジェクトを設定し、班員はいずれかのプロジェクト・チームに所属して(複数可)、研究を推進する体制を採用した。
1)臨床調査個人票等に基づく脊髄小脳変性症SCDの自然歴研究
2)病態の進行抑制治療に関する臨床研究と基礎研究
3)大規模ゲノム解析による遺伝子未同定SCDの病態解明
(1)多系統萎縮症MSA研究
(2)遺伝子未同定SCDの原因遺伝子同定
(3)家族性痙性対麻痺FSP研究
4)副腎白質ジストロフィーALDの臨床研究とペルオキシソーム病の病態解明
結果と考察
1)臨床調査個人票を前向き研究のデータベースとして有効活用するための問題点を検証し、Machado-Joseph病MJDと脊髄小脳失調症6型SCA6については個別調査票を作成した。
2)ポリグルタミン鎖の凝集抑制作用をもつ物質を探索し、培養細胞系やマウスモデルを用いてその効果を検証する治療前研究を行った。またRNA干渉を、SCDの治療法として応用することを目的とした基礎研究を行った。同時に臨床試験の実施に向けて多施設共同研究チームを組織し、プロトコールの検討を開始した。
3)大規模ゲノム解析によるMSAとFSPの病因・病態解明を目的としたプロジェクト・チームを立ち上げ、MSAは昨年秋から症例の登録と検体の収集を開始した。
4)小児大脳型ALDにおける造血幹細胞移植治療HSCTの有効性が明らかになってきたので、ALDの早期診断とHSCTが速やかに施行できる診療体制の整備を進めた。
結論
多彩な疾患群から構成される運動失調症の病態は徐々に解明されつつあり、残された課題は病態の進行阻止による新たな治療法の開発とその臨床応用である。この大目標に向けた取り組みを開始した。

公開日・更新日

公開日
2006-05-11
更新日
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