ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500841A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究
課題番号
H16-難治-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
衛藤 義勝(東京慈恵会医科大学小児科学講座・DNA医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木義之(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 芳野 信(久留米大学 医学部 小児科学)
  • 田中あけみ(大阪市立大学 医学部 発達小児医学)
  • 島田 隆(日本医科大学 生化学第二講座)
  • 酒井規夫(大阪大学 医学部 小児科学)
  • 高田五郎(秋田大学 医学部 小児科学)
  • 高柳正樹 (千葉県こども病院 代謝科)
  • 大野耕策(鳥取大学 医学部 脳神経小児科)
  • 辻 省次(東京大学附属病院 医学部 神経内科学)
  • 難波栄二(鳥取大学生命機能研究支援センター     遺伝子探索分野)
  • 鈴木康之(岐阜大学 医学部 医学教育開発研究センター)
  • 桜庭 均((財)東京都医学研究機構  東京都臨床医学総合研究所 臨床遺伝学研究部門)
  • 北川照男(東京都予防医学協会)
  • 桜川 宣男(東京都小児療育病院)
  • 奥山 虎之(国立成育医療センター 遺伝心療科)
  • 坪井 一哉(JR東海総合病院 血液内科)
  • 松田純子(東海大学 未来科学技術共同研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、様々な角度より研究を行うことによりライソゾーム病(LSD)患者さんのADL,QOLを改善することを目的とする。
研究方法
本年度の研究項目は(1) 予後、ADL, QOLなどに関する調査研究、(2) 診断法の開発に関する研究、(3) 治療法の開発に関する研究、(4) 病態に関する研究、(5)酵素補充療法の副作用に関する研究、である。(1)ではクラッベ病、ムコ多糖症II型、ポンペ病の自然歴およびFIM, SF-36を用いてADL,QOLを検討した。またムコ多糖症出生前診断に関する両親の意識状態、LSDの呼吸障害の実態、LSDの心機能障害の実態も調査した。
結果と考察
予後、ADL, QOLなどに関する調査研究:ムコ多糖症II型のADLは成人軽症型では小児期は正常だが成人以降低下、重症患者は小児期すでに低下が認められた。ポンペ病患者のQOLは国民水準に比べ低下していた。
診断法の開発に関する研究:ファブリー病の尿およびリンパを用いた診断法およびゴーシェ病のマイクロアレイを用いた遺伝子解析法を開発した。
治療法の開発に関する研究:AAVベクターを用いた異染性脳白質変性症の遺伝子治療法、HIVベクターを用いたクラッベ病の遺伝子治療法、神経幹細胞を用いたムコ多糖症VII型の細胞治療法をそれぞれ開発した。またGM1ガングリオシドーシス、クラッベ病、ゴーシェ病のケミカルシャペロン法による治療法を開発した。
病態に関する研究:ニーマンピッック病C型、クラッベ病の新規の遺伝子変異を明らかにし、この変異が責任変異であることも確認した。サポシン Dがセラミダーゼの活性化因子であることを明らかにすると伴に、骨髄移植がサポシン A欠損症に有効であることを明らかにした。ファブリー病の血中サイトカイン濃度に検討を加えた。
酵素補充療法の副作用に関する研究
酵素補充中の古典型ヘミ接合ファブリー病患者20例に関して、そのアレルギーの出現状況を調査し、その約半数でアレルギー症状が出現しステロイドの投与が有効であることを明らかにした。
結論
現在のLSD患者さんのADL, QOLを明らかにすると伴に、遺伝子治療法、細胞移植療法、ケミカルシャペロン法などの新規治療法を開発した。またLSDの新規遺伝子変異など病態に関わる研究、酵素補充療法の副作用を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2006-05-26
更新日
-