文献情報
文献番号
200500832A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学)
研究分担者(所属機関)
- 毛利 資郎((独立行政法人)農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所プリオン病研究センター)
- 三好 一郎(名古屋市立大学大学院医学系研究科 実験動物研究教育センター)
- 村本 環(東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学 研究センタープリオン蛋白研究部門 CJD早期診断・治療法開発分野)
- 金子 清俊(東京医科大学医学部 生理学第二講座)
- 堂浦 克美(東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学 研究センタープリオン蛋白研究部門 プリオン蛋白分子解析分野)
- 古川 ひさ子(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染分子病態学)
- 坂口 末廣(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染分子病態学)
- 横山 隆(動物衛生研究所プリオン病研究センター 病原・感染研究チーム)
- 中村 好一(自治医科大学地域医療学センター 公衆衛生学)
- 山田 正仁(金沢大学大学院医学系研究科 脳老化・神経病態学)
- 岩城 徹(九州大学大学院医学研究院 神経病理学)
- 村山 繁雄(東京都高齢者研究福祉振興財団 東京都老人総合研究所 高齢者脳ゲノム(神経病理学)分野)
- 岸田 修二(東京都立駒込病院 神経内科)
- 堀田 博(神戸大学大学院医学系研究科 微生物学)
- 網 康至(国立感染症研究所 動物管理室 村山分室)
- 市山 高志(山口大学医学部附属病院 小児科学)
- 細矢 光亮(福島県立医科大学 小児科学)
- 長嶋 和郎(北海道大学大学院医学研究科 分子細胞病理学)
- 原 由紀子(杏林大学医学部 病理学)
- 佐伯 圭一(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用免疫学)
- 堀内 基広(北海道大学大学院獣医学研究科 プリオン病学)
- 二瓶 健次(身体障害者療護施設 横浜らいず 丘の上診療所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
87,600,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
プリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)の本邦における疫学的実態を明らかにし、発症機序の解明、治療法・予防法の開発、感染予防対策、患者・家族等のケアを推進する。
研究方法
プリオン病、SSPEはサーベイランス委員を研究協力者として組織し各都道府県の行政担当、難病担当専門医と協力して全国サーベイランスを行い、PMLは分科会を組織しアンケート調査を行った。発症機序等の研究は基礎医学者、獣医学者、臨床研究者が分担研究者・研究協力者として各々の研究を推進するとともに共同研究など相互交流や他学会等との協力を深め全体水準の向上を目指し、国民にも国際的にもその成果を発信した。
結果と考察
プリオン病では全国サーベイランス体制のもとに重要な疫学・臨床研究の成果が得られた。診断困難例や変異型CJD疑い例の検討からMM2型の特徴が明らかになり、硬膜移植例の検討からプラークを有する非典型例の理解が進んだ。二次感染リスク事例への対応とともに専任体制の確立に貢献した。SSPEも疫学調査体制が整備され、PMLでは本邦で初めての疫学調査が進んだ。基礎研究ではプリオン蛋白の機能と異常化の機序、モデル動物を用いた研究、SSPEにおける血清中サイトカイン、疾患感受性遺伝子の同定、SSPEモデル動物の開発、PMLにおけるオリゴデンドログリアの変性機序、JCウイルス遺伝子変異の検索、JCウイルス感染感受性因子の同定等の領域で顕著な研究成果が得られた。プリオン病のキナクリン、ペントサンポリサルフェート治療、SSPEのリバビリン治療が進展し、SSPEとPMLでは診断基準に引き続き診療ガイドラインの作成を行った。プリオン病、PML関連の学会に協力あるいは後援し、SSPEでは海外多発地域との共同研究を推進した。
結論
対象三疾患いずれも疫学研究、診断法開発や臨床治験を含む臨床研究、発症機序に係わる基礎研究、関連獣医学的研究が進展した。とくにプリオン病についてはサーベイランス体制強化や二次感染予防対策が進み、患者等のケア対策も進展した。これらの成果は班会議や全国会議などを通じて国民に公表されるとともに関連学会を通して国際的にも高く評価されている。
公開日・更新日
公開日
2006-06-12
更新日
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