異常蛋白蓄積による運動系神経変性疾患の治療法開発にむけた病態解明

文献情報

文献番号
200500817A
報告書区分
総括
研究課題名
異常蛋白蓄積による運動系神経変性疾患の治療法開発にむけた病態解明
課題番号
H17-こころ-024
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 良輔(京都大学大学院医学研究科・臨床神経学)
研究分担者(所属機関)
  • 三澤日出巳(共立薬科大学・薬理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
異常タンパク質蓄積による神経変性疾患の病態解明と治療法開発をめざし、プロテアソームとミトコンドリアのセリンプロテアーゼHtrA2という2種類のタンパク質分解酵素の機能低下の神経変性における意義を明らかにする。
研究方法
プロテアソームサブユニットをCre-Loxシステムでコンディショナルに欠損するようになるfloxedマウスを作製し、これをすでに作製済みの運動ニューロン特異的Cre発現マウスと掛け合わせて、運動ニューロンで特異的にプロテアソームの活性が低下するマウスを作製、運動ニューロン変性が生じるかどうかを明らかにする。HtrA2はその酵素活性喪失型の変異マウスで線条体ニューロンが変性する表現型を呈する。この原因はHtrA2のい基質の蓄積と考えられるので、分子生物学的方法、およびプロテオミクス的手法によって基質を同定する。
結果と考察
本年度はプロテアソームサブユニットコンディショナルノックアウトに関してはPCRをもちいてターゲティングベクターを作製し、常法により、C57BL6由来のES細胞のスクリーニングを行い、3つの組み換えクローンを得た。このクローンでキメラマウスを作製中である。また発現クローニング法を用いて、HtrA2の基質候補となる3種類のミトコンドリアタンパク質を同定した。これらの成果により、プロテアソームコンディショナルノックアウトマウス作製への確かな足がかりが築かれ、プロテアソーム活性低下の変性疾患における意義を数年以内に明らかにできるものと考えられる。またHtrA2欠損で蓄積する基質についても着実な進歩がみられた。

結論
プロテアソームサブユニットのfloxed mouse作製にむけてES細胞の相同性組み換えに成功した。またHtrA2の基質候補の同定にも成功した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-11
更新日
-