触法行為を行った精神障害者の精神医学的評価、治療、社会復帰等に関する研究

文献情報

文献番号
200500765A
報告書区分
総括
研究課題名
触法行為を行った精神障害者の精神医学的評価、治療、社会復帰等に関する研究
課題番号
H15-こころ-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
松下 正明(東京都立松沢病院)
研究分担者(所属機関)
  • 樋口輝彦(国立精神・神経センター武蔵病院)
  • 山上皓(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
  • 平野誠(独立行政法人国立病院機構・肥前精神医療センター)
  • 武井満(群馬県立精神医療センター)
  • 伊豫雅臣(千葉大学医学研究院)
  • 中島豊爾(岡山県立岡山病院)
  • 岩成秀夫(神奈川県立精神医療センター芹香病院)
  • 吉川和男(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 山内俊雄(埼玉医科大学)
  • 宮本真巳(東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科)
  • 五十嵐禎人(東京都精神医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(医療観察法)の施行にあたって必要とされる、触法精神障害者の評価手法の確立、指定医療機関における治療のあり方、司法精神医療の専門医療従事者の養成などについて、今後の施策に資する具体的な提言を行うことを目的として研究を行った。
研究方法
①「責任能力鑑定における精神医学的評価に関する研究」、②「現行制度のもとでの触法精神障害者処遇に関する研究」、③「触法精神障害者の治療必要性の判定に関する研究」、④「触法精神障害者の治療プログラムに関する研究」、⑤「他害行為を行った薬物関連障害患者の治療」、⑥「触法行為を行った精神障害者の治療環境に関する研究」、⑦「触法精神障害者の社会復帰と通院治療に関する研究」、⑧「触法精神障害者の処遇に関する国際比較研究」、⑨「司法精神医療従事者の研修・教育ならびに専門家養成システムの作成と実行に関する研究」、⑩「触法精神障害者の看護ならびに地域支援の手法に関する研究」、⑪「司法精神医療における精神障害者の人権擁護に関する研究」の11の分担研究班をおいて、研究を遂行した。
結果と考察
①刑事責任能力鑑定書の作成の手引きを作成した。②殺人に相当する行為を行った触法精神障害者と一般殺人犯との比較を行った。③医療観察法における医療必要性の鑑定に関して、共通評価項目の信頼度調査、医療観察法施行後の鑑定書概括調査などを行った。④医療観察法における「直面化」を中心に検討した。⑤他害行為を行った薬物関連障害患者の治療に関して検討し、医療観察法における薬物関連障害の処遇に関するフローチャートを作成した。⑥各都道府県の実情にあった指定入院医療機関の設置基準について検討した。⑦指定通院医療機関における医療サービス提供、地域生活支援のあり方、情報管理について検討した。⑧医療観察法制度を国際的視点から検討するための調査項目を検討した。⑨司法精神医療に従事する各職種について、専門家の養成のための教育・研修システムを作成した。⑩指定入院医療機関のスタッフの意識変化などについて調査を行った。⑪医療観察法に関する、法律上の問題(鑑定入院、身体合併症治療、医療観察法における同意)について検討し、提言を行った。
結論
医療観察法の施行のために必要とされる、触法精神障害者の評価、専門的医療及び社会復帰について、多面的かつ包括的な検討を加え、実践的な提言を行った。

公開日・更新日

公開日
2006-05-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200500765B
報告書区分
総合
研究課題名
触法行為を行った精神障害者の精神医学的評価、治療、社会復帰等に関する研究
課題番号
H15-こころ-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
松下 正明(東京都立松沢病院)
研究分担者(所属機関)
  • 森山公夫(日本精神神経学会、一陽会陽和病院)
  • 樋口輝彦(国立精神・神経センター武蔵病院)
  • 山上皓(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
  • 平野誠(独立行政法人国立病院機構・肥前精神医療センター)
  • 武井満(群馬県立精神医療センター)
  • 伊豫雅臣(千葉大学医学研究院)
  • 中島豊爾(岡山県立岡山病院)
  • 岩成秀夫(神奈川県立精神医療センター芹香病院)
  • 竹島正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 吉川和男(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 山内俊雄(埼玉医科大学)
  • 宮本真巳(東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科)
  • 五十嵐禎人(東京都精神医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(医療観察法)の施行にあたって必要とされる、触法精神障害者の評価手法の確立、指定医療機関における医療のあり方、専門医療従事者の養成などについて、今後の施策に資する具体的な提言を行うことを目的として研究を行った。
研究方法
医療観察法の手続の流れにそって、医療観察法による医療の必要性、指定入院医療機関における治療プログラム、指定通院医療機関における医療や社会復帰支援の方法、司法精神医療に従事する専門医療従事者の研修・教育プログラムのあり方、医療観察法における精神障害者の人権擁護などの課題について専門家から構成される分担研究班をおき、検討を行った。また、医療観察法の前段階にあたる刑事司法精神鑑定のあり方や従来の措置入院制度における触法精神障害者の処遇の問題点に関しても分担研究班をおき検討した。
結果と考察
医療観察法の審判に関する鑑定、指定入院医療機関における具体的な治療プログラム、指定通院医療機関における医療と地域支援に関するガイドライン、精神保健判定医・精神保健参与員・指定医療機関における医療従事者等の人材養成や具体的な研修プログラムなどをエキスパート・コンセンサス・ガイドラインとして作成した。また、刑事精神鑑定についても「刑事責任能力鑑定書の作成の手引き」を作成した。さらに、施行5年後に予定される医療観察法見直し作業の材料となる具体的なエビデンス収集のための方策についても検討を行い、提言を行った。
これらの研究成果は、医療観察法の施行にさいして、厚生労働省等によって作成された「指定入院医療機関運営ガイドライン」、「入院処遇ガイドライン」、「指定通院医療機関運営ガイドライン」、「通院処遇ガイドライン」、「地域社会における処遇ガイドライン」に反映された。さらに、厚生労働省の委託により財団法人精神・神経科学振興財団が行った司法精神医療人材養成企画委員会における、精神保健判定医・精神保健参与員・司法精神医療従事者等の研修・教育プログラムと教材集の作成、研修会実施などについても本研究班の成果が活用された。
結論
医療観察法の施行のために必要とされる、触法精神障害者の評価、専門的医療及び社会復帰について、多面的かつ包括的な検討を加え、実践的な提言を行った。本研究の成果は、医療観察法の施行において重要な役割を果たしたものと自負している。

公開日・更新日

公開日
2006-05-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500765C