思春期の抑うつに関する疫学的研究-手法の確立と国際比較-

文献情報

文献番号
199700074A
報告書区分
総括
研究課題名
思春期の抑うつに関する疫学的研究-手法の確立と国際比較-
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
土井 由利子(国立公衆衛生院疫学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子供たちを取り巻く環境が変化する中、思春期の抑うつが最近増加・低年齢化しているといわれており、また、自殺、飲酒、売春、非行、学業不振等との関連も示唆されている。日本においても、有病率、発症率、危険因子等思春期抑うつの実態把握のためにコミュニテイ・ベースでの疫学的研究が必要である。平成8年度は現在世界的主流となっている精神疾患の操作的診断基準Diagnostic and Statistical Manual of Mental DisordersFourth Edition(DSM-IV)に基づく自記式抑うつ尺度DSM Scale for Depression(DSD)の日本語版の作成と信頼性の検討を行った。DSDは 米国National Institute of Mental Healthで開発された高度構造化面接法であるDISC Version 4.0 をもとにテキサス大学で開発されたものである。そこで平成9年度は高度構造化面接法であるDISC 4.0の中で抑うつ及びその関連疾患を選定し日本語版を作成することを目的とした。
研究方法
抑うつおよびその関連疾患である不安障害、適応障害等に関するDISC Version4.0の日本語版を作成する。1)抑うつおよびその関連疾患である不安障害、適応障害、身体表現性障害等DISC Version4.0の中で、どの疾患について日本語版を作成するか、関係する日米研究者間で検討を行い、疾患を選定する。2)選定した疾患毎にバイリンガルによる翻訳(英語から日本語へ)、逆翻訳(日本語から英語へ)を行い関係する日米研究者間での両者の突き合わせを行いプレリミナリーなDISC Version 4.0の日本語版を作成する。
結果と考察
思春期抑うつに関する国際比較可能な疫学的手法を検討するため、現在世界的主流となっている精神疾患の操作的診断基準Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders Fourth Edition(DSM-IV)に基づき米国National Institute of Mental Healthで開発されたDiagnostic Interview Schedule for Children Version 4.0 (DISC Version 4.0)の中から抑うつ及びその関連疾患をいくつか選定しその日本語版を作成した。
関係する日米の研究者間で検討した結果、DISC Version 4.0の中から抑うつおよびその関連疾患として不安障害として社会不安および全般性不安障害を選定した。この3疾患について、バイリンガルによる翻訳(英語から日本語へ)、逆翻訳(日本語から英語へ)を行い関係する日米研究者間での両者の突き合わせを行いプレリミナリーなDISC Version 4.0の日本語版を作成した(成果物は別添の本研究報告書を参照)。
今後の課題としては、この日本語版を用いプレテストを行い日本語訳の適正についてさらに検討を加え、フィールドにおける信頼性および妥当性の検討を行う必要がある。
結論
関係する日米の研究者間でDISC Version 4.0の中から抑うつおよびその関連疾患である社会不安と全般性不安障害を選定し、翻訳(英語から日本語へ)、逆翻訳(日本語から英語へ)、両者の突き合わせという手順を踏んで、上記3疾患のDISC Version 4.0のプレリミナリーな日本語版を作成することができた。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)