文献情報
文献番号
200500742A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ治療における新規生物製剤の治療方針の作成及びその検証に関する研究
課題番号
H16-免疫-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学)
研究分担者(所属機関)
- 當間 重人(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
- 山中 寿(東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター)
- 沢田 哲治(東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ科)
- 井田 弘明(長崎大学医学部・歯学部附属病院第一内科)
- 小池 隆夫(北海道大学大学院医学研究科病態内科学)
- 亀田 秀人(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
- 石ヶ坪 良明(横浜市立大学大学院医学研究科病態免疫制御内科学)
- 住田 孝之(筑波大学大学院人間総合科学研究科先端応用医学専攻臨床免疫学分野)
- 針谷 正祥(東京医科歯科大学臨床試験管理センター)
- 朝野 和典(大阪大学医学部附属病院感染制御部)
- 田中 良哉(産業医科大学第一内科)
- 西本 憲弘(大阪大学大学院生命機能研究科)
- 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科医薬経済学)
- 中島 敦夫(日本医科大学リウマチ科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
関節リウマチ(RA)における生物学的製剤の適正使用のために、治療ガイドラインの作成・検証、生物学的製剤使用患者データベースの構築を行う。
研究方法
1) 我が国初の生物学的製剤使用RA患者登録システム[REAL]の構築:当事業内科系3班(主任研究
者;宮坂信之、竹内 勤、江口勝美)に参加する17施設を対象としてオンライン登録を行う。
2) 生物学的製剤使用ガイドラインの検証:上記内科系3班にてガイドラインの妥当性を検証する。
3) 生物学的製剤使用中に発生するニューモシスチス肺炎(PCP)の全国調査: PAT(The study
group of Pneumocystis Pneumonia under anti-TNF therapy)研究グループを構築し、全国から
収集したPCP症例の臨床的特徴を解析する。
4) 生物学的製剤使用統一ガイドラインの策定:上記内科系3班にて作成する。
5) RA患者における結核と悪性腫瘍発生頻度の解析:iR-netを用いる。
者;宮坂信之、竹内 勤、江口勝美)に参加する17施設を対象としてオンライン登録を行う。
2) 生物学的製剤使用ガイドラインの検証:上記内科系3班にてガイドラインの妥当性を検証する。
3) 生物学的製剤使用中に発生するニューモシスチス肺炎(PCP)の全国調査: PAT(The study
group of Pneumocystis Pneumonia under anti-TNF therapy)研究グループを構築し、全国から
収集したPCP症例の臨床的特徴を解析する。
4) 生物学的製剤使用統一ガイドラインの策定:上記内科系3班にて作成する。
5) RA患者における結核と悪性腫瘍発生頻度の解析:iR-netを用いる。
結果と考察
【結果】
1) 患者登録はMTX単独およびMTXを始めとするDMARD+生物学的製剤併用患者を対象として、治療内
容、検査データ、疾患活動性の変化などを6ヶ月毎に登録する。平成17年12月25日現在で404例が
登録されている。
2) IFX使用ガイドラインの改訂により、結核の発生状況は著しく改善しつつある。
3) 高齢、肺疾患合併、PSL投与、血清アルブミン及び血清低値などがPCPのリスクファクターとして
同定された。
4) 現在、日本リウマチ学会理事会で検討中であり、近日中に承認の見込みである。また、「生物学
的製剤投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」を作成し、臨床現場で
ニューモシスチス肺炎の鑑別が容易となるように配慮した。
5) 女性RA患者ではRAにおける結核のSIR(標準化罹病率)は2.80と高く、悪性リンパ腫のSIRは6.64
と著しく高値であった。
【考察】
我が国における生物学的製剤使用の実態及び有害事象の早期診断法及び早期治療法などが明らかにされつつある。特に、我が国においてはPCPなどの我が国特有の有害事象の発生が明らかとなっており、その対策を確立することは焦眉の急であると思われる。
1) 患者登録はMTX単独およびMTXを始めとするDMARD+生物学的製剤併用患者を対象として、治療内
容、検査データ、疾患活動性の変化などを6ヶ月毎に登録する。平成17年12月25日現在で404例が
登録されている。
2) IFX使用ガイドラインの改訂により、結核の発生状況は著しく改善しつつある。
3) 高齢、肺疾患合併、PSL投与、血清アルブミン及び血清低値などがPCPのリスクファクターとして
同定された。
4) 現在、日本リウマチ学会理事会で検討中であり、近日中に承認の見込みである。また、「生物学
的製剤投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」を作成し、臨床現場で
ニューモシスチス肺炎の鑑別が容易となるように配慮した。
5) 女性RA患者ではRAにおける結核のSIR(標準化罹病率)は2.80と高く、悪性リンパ腫のSIRは6.64
と著しく高値であった。
【考察】
我が国における生物学的製剤使用の実態及び有害事象の早期診断法及び早期治療法などが明らかにされつつある。特に、我が国においてはPCPなどの我が国特有の有害事象の発生が明らかとなっており、その対策を確立することは焦眉の急であると思われる。
結論
我が国と欧米との間の人種差、社会経済学的背景の差、医療システムの差などを考慮すると、RAにおける生物学的製剤使用患者のデータベースの作成、治療ガイドラインの改訂とその検証は必要不可欠であると思われる。
公開日・更新日
公開日
2006-07-20
更新日
-