アレルギー疾患の治療反応性予測因子の確立及びテーラーメイド治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200500741A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患の治療反応性予測因子の確立及びテーラーメイド治療法の確立に関する研究
課題番号
H16-免疫-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直実(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(国立相模原病院臨床研究センター)
  • 大田 健(帝京大学医学部内科学講座)
  • 赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部)
  • 山口 悦郎(愛知医科大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科)
  • 白川 太郎(京都大学医学研究科健康増進・行動学)
  • 松井 永子(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の増加が大きな社会問題になっている。従ってこれらに対する適格な対策の確立が急務である。
本研究の目的は、①アレルギー疾患の病因・病態および治療反応性予測因子を系統
的に検出できる遺伝子診断キット及びDNAチップ(アレイ)を中心とする診断システムを開発すること。 ─このためには病因・病態・薬剤反応性解析の蓄積が重要である。②その診断をもとにして各病因・病態に合致したテーラーメイド治療法を確立すること。─このためには新たな創薬も必要である。
研究方法
(1)アレルギー(アトピー)の病因遺伝子群の系統的、多角的な解明に基づいて、アレルギーを新たに遺伝子学的に分類し、アレルギーの系統的遺伝子診断キットをインベーダーアッセイ法を用いて開発した。(2)遺伝子発現変化を系統的に検出するためのDNAチップ(アレイ)の開発を進めている。(3)個々の異常部位を系統的に診断あるいは予測できる遺伝子診断の情報をもとにして、その病因・病態に合致したテーラーメイド治療法を確立するため、まず、既存の薬剤の適格な使用方法について検討した。
結果と考察
本年度の研究成果。(1)アレルギーの病因・病態の系統的解析に基づいて新たにアレルギー(アトピー)の遺伝子学的分類が確立され、さらに個々の異常部位を系統的に診断あるいは予測できる遺伝子診断キットが確立できた。(2)遺伝子発現変化を系統的に検出するためのDNAチップ(アレイ)の開発を進めている。(3)抗アレルギー薬、抗喘息薬について吸入ステロイド薬、テオフィリン製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン抑制薬について、治療反応予測因子、中止予測因子について検討し、画期的成果が得られた。
結論
(1)遺伝子診断、発症予測に関する情報を集約し、得られたデータを検討することで、アレルギーのさらなる病因、病態の解析を基盤に新たな病因の発見と網羅的かつ系統的な診断範囲の拡大と確立が可能となる。(2)適格な診断・治療法を確立することにより医療効果が上昇し、患者の治癒軽快率の向上、QOLの向上がはかれることが予測される。(3)さらには、病態に基づいた医療を速やかに行なうことで医療費の節減につながり、社会問題の解決が図れることが予想される。(4)テーラーメイド治療のための創薬がタンパク解析により可能である。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-