C型肝炎への肝移植後の免疫抑制法に関する研究

文献情報

文献番号
200500719A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎への肝移植後の免疫抑制法に関する研究
課題番号
H16-肝炎-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
門田 守人(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座 消化器外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 浅原利正(広島大学大学院・医歯薬学総合研究科・先進医療開発科学講座)
  • 市田隆文(順天堂大学医学部附属静岡病院・消化器内科)
  • 兼松隆之(長崎大学・大学院医歯薬学総合研究科 移植・消化器外科)
  • 北島政樹(慶應義塾大学・外科学教室)
  • 清澤研道(信州大学・医学部 第二内科)
  • 里見 進(東北大学・大学院医学系研究科外科病態学講座先進外科学分野)
  • 高田泰次(京都大学医学部附属病院 移植外科)
  • 田中紀章(岡山大学・大学院医歯学総合研究科 消化器・腫瘍外科)
  • 寺岡 慧(東京女子医科大学・腎臓外科 臓器移植・人工臓器)
  • 橋本俊(藤田保健衛生大学・小児外科)
  • 畠山勝義(新潟大学・大学院医歯薬学総合研究科 消化器・一般外科学分野)
  • 藤原研司(横浜労災病院・内科)
  • 前原喜彦(九州大学・大学院 消化器・総合外科)
  • 幕内雅敏(東京大学・大学院医学系研究科肝胆膵外科、人工臓器移植)
  • 宮川眞一(信州大学・医学部外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
C型ウイルス性肝硬変(HCV)は肝移植の適応の多くを占めるが、移植後高率に再発する。再発には免疫抑制法が関与すると考えられ、世界的に多くのmodificationが試みられてきたが、未だ一定の結論がない。本研究の目的は日本人のHCVに最適の免疫抑制法を構築することであり、その成果は本邦のHCV患者全般の予後を改善すると予測される。
研究方法
1.前年度に引き続き以下の研究を行う。①分担研究施設をステロイド「有」と「無」(術中を含めた完全無使用)に分け、移植後肝炎再発を比較するパイロット・スタディ。②本邦多施設の過去のHCV移植例に関する集計データを再解析し、タクロリムスとシクロスポリンを比較する。
2.上記の結果から、本邦のHCVの免疫抑制法に関して現時点で最も必要性が高い臨床比較試験を策定し実行する。
結果と考察
1-①実施計画書を作成し、分担研究施設にIRB申請を指示した。全外科系分担研究施設において既に認可を受け、症例を蓄積中である。ステロイド「有」群20例、ステロイド「無」群14例の合計34例が登録済みであるが、これまでに重篤な有害事象はない。②再解析の結果、タクロリムスとシクロスポリンとの間で有意な差はなかった。
 2.上記1と内外の論文のreviewから、ステロイド「有」と「無」の比較が最も有用との見解に達した。そこで、①を発展させた前向きの多施設臨床試験を行うこととした。また、内科系の研究者によるウイルス学的検討も行う。目標症例登録数(50例)を2007年3月までに達成する見込みである。
1-①実施計画書を作成し、分担研究施設にIRB申請を指示した。全外科系分担研究施設において既に認可を受け、症例を蓄積中である。ステロイド「有」群20例、ステロイド「無」群14例の合計34例が登録済みであるが、これまでに重篤な有害事象はない。②再解析の結果、タクロリムスとシクロスポリンとの間で有意な差はなかった。
 2.上記1と内外の論文のreviewから、ステロイド「有」と「無」の比較が最も有用との見解に達した。そこで、①を発展させた前向きの多施設臨床試験を行うこととした。また、内科系の研究者によるウイルス学的検討も行う。目標症例登録数(50例)を2007年3月までに達成する見込みである。
結論
現在分担施設共同でステロイド無使用の免疫抑制療法に関する前向きの比較試験を行っているが、本邦でこのような主要肝移植施設共同のナショナル・スタディは例がなく、症例数も大規模が期待される。本研究の成果をまとめ、将来のランダマイズド・オープンラベル比較試験につなげたい。

公開日・更新日

公開日
2006-04-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-01-19
更新日
-