粘膜ワクチン開発の基礎となるアジュバント開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500676A
報告書区分
総括
研究課題名
粘膜ワクチン開発の基礎となるアジュバント開発に関する研究
課題番号
H16-新興-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
清野 宏(東京大学医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 竹田 潔(九州大学生体防御医学研究所)
  • 濱端 崇(国立国際医療センター)
  • 竹田 美文((株)シネサイエンス研究所)
  • 高木 広明((株)プロテインエクスプレス・ヒゲタ醤油(株))
  • 萩原 由加利((社)北里研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
無毒化変異型CT(mCT)とキメラ型アジュバント(mCT-A/LT-B)の実用化に向けた臨床試験開始への基礎・応用研究両方を推進する。
研究方法
1)無毒化変異型(mCT)とキメラ型(mCT-A/LT-B)を中心として、そのさらなる有効性・安全性を追求した改良型の開発に向けての基礎研究。
2)ヒトへの応用性を目指した、無毒化変異型(mCT)とキメラ型(mCT-A/LT-B)の大量発現系システムの確立。
3)TLRを中心とした自然免疫系分子群を標的としたアジュバントを探索。
結果と考察
1)mCTの改良型として期待されるA2サブユニットCOOH末端KDEL配列に変異を導入したダブルミュータント(dmCT)について、経鼻投与後嗅神経上皮への取り込みは認められるが、嗅脳への蓄積は認められず、その安全性について意義のある結果が得られた。
2)キメラ型アジュバントに関しては、B.choshinensis発現系大量産生システムの確立に向けて方向性を示す結果を得ることが出来た。簡便な精製工程で夾雑蛋白質がなく、エンドトキシンの少ない品質の試作品が得られたことにより、実用レベルでの製造フローが構築できたと考えている。
3)次世代粘膜アジュバント開発へ向けた基礎研究では自然免疫系免疫応答調整・制御分子としてIκBファミリーに属する IκBNSが同定され、同分子が遺伝子レベルで免疫担当細胞活性化の制御に関与することが明らかとなった。
結論
1)無毒化変異型(mCT)とキメラ型(mCT-A/LT-B)を中心として、そのさらなる有効性・安全性を追求した改良型の開発ならびに、その応用性に関するマウス・サルの実験系を駆使した基礎的検討
2)ヒトへの応用性を目指した臨床試験開始に向けた、無毒化変異型(mCT)とキメラ型(mCT-A/LT-B)の大量発現系システムの確立ならびにフィールド準備に向けたTR型研究
3)近年注目されているTLRを中心とした自然免疫系分子群を標的としたアジュバントやCT免疫増強部位ペプチド型アジュバントなどを探索する基礎研究
今後も無毒化変異型(mCT)とキメラ型(mCT-A/LT-B)粘膜アジュバントの実用化に向けての応用基礎研究を展開しながら、次世代型ともいえる改良型ならびに自然免疫分子標的型粘膜アジュバントの開発へ向けての基礎研究を同時進行し、目的達成を目指していく。

公開日・更新日

公開日
2006-04-17
更新日
-