文献情報
文献番号
200500660A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症媒介ベクターの実態、生息防止対策に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H15-新興-018
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小林 睦生(国立感染症研究所昆虫医科学部)
研究分担者(所属機関)
- 津田 良夫(国立感染症研究所昆虫医科学部)
- 沢辺 京子(国立感染症研究所昆虫医科学部)
- 冨田 隆史(国立感染症研究所昆虫医科学部)
- 高崎 智彦(国立感染症研究所ウイルス第1部)
- 松岡 裕之(自治医科大学医動物学教室)
- 新庄 五朗((財)日本環境衛生センター環境生物部)
- 當間 孝子(琉球大学医学部保健学科環境保健学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
都市部で発生する蚊類の調査として、成虫発生の季節消長、幼虫発生源を明らかにし、WNVおよびJEVの検出、分離を行う。 また、蚊の殺虫剤抵抗性の発達状況を調査し、防除対策立案に資する。アカイエカ種群等の蚊類の吸血嗜好性を分子的に解明し、どの動物から吸血するか明らかにする。
研究方法
都市部を中心に、CDC型ドライアイストラップで毎週1回蚊成虫の捕集を行い、幼虫は公園等の雨水マス、水が溜まった人工容器等から採集し、種を同定した。フラビウイルスはRT-PCR法、細胞培養法を併用して検出、分離した。殺虫剤抵抗の発達状況は生物検定法および分子同定法を用いた。吸血源動物の同定は分子的に行った。数種薬剤を雨水マス等に処理し、防除効果の判定を羽化率、粘着トラップ、CDC型トラップ等で評価した。
結果と考察
都市部ではアカイエカ種群とヒトスジシマカがほとんどで、約33,000個体からウイルス分離を行ったがWNVは陰性。 都市部の蚊からJEVの遺伝子を検出した。アカイエカ種群の分子同定法を確立し、吸血源動物の分子分類を行った。 アカイエカ種群でピレスロイド系殺虫剤に対する抵抗性を確認し、分子機構を解明した。 都市部ではアカイエカ種群の防除が重要であることが強く示唆された。
結論
1)都市部ではアカイエカ種群とヒトスジシマカが95%以上、2)約33,000個体の捕集蚊からウイルスの分離を行ったがWNVは陰性、一部JEVの遺伝子を検出した。3)アカイエカ種群の分子同定法を確立し、吸血源動物の分子分類を行った、 4)アカイエカ種群のコロニーでピレスロイド系殺虫剤に対する抵抗性を確認し、分子機構を解明した。5)野生のイノシシが抗日本脳炎抗体を有することを確認したこと。
公開日・更新日
公開日
2006-04-10
更新日
-