文献情報
文献番号
                      200500637A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      ポリオ野生株ウイルスの封じ込め対策に関する研究
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H16-新興-007
                  研究年度
                      平成17(2005)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      宮村 達男(国立感染症研究所ウイルス第二部)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 清水 博之(国立感染症研究所ウイルス第二部)
 - 吉田 弘(国立感染症研究所ウイルス第二部)
 - 有田 峰太郎(国立感染症研究所ウイルス第二部)
 - 西村 順裕(国立感染症研究所ウイルス第二部)
 - 小池 智(東京都神経科学総合研究所微生物研究部門)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
                  研究開始年度
                      平成16(2004)年度
                  研究終了予定年度
                      平成18(2006)年度
                  研究費
                      7,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            現在最終局面にある世界ポリオ根絶計画が達成された後、人為的、非人為的ないかなる理由であれ、ポリオウイルスがヒト集団に再流行することがないように、野生株ポリオ根絶後に起こり得るポリオ流行のリスクを評価し制御戦略を検討する。実験室に由来するポリオウイルス伝播のリスクを低下させるため、ポリオウイルス保管調査のための効率的かつ現実的な調査方法の検討を行う。
      研究方法
            WHOによるポリオウイルス実験室封じ込めのphase I過程を完了するための、正確かつ効率の良い保管調査実施手法の検討を行う。野生株ポリオ根絶後のワクチン由来ポリオウイルスを含むポリオウイルス伝播を初期段階で検出し制御するために必要なサーベイランスシステムの評価を行う。ポリオウイルスの個体内および個体間における感染伝播メカニズムを評価するための実験系を確立する。
      結果と考察
            野生株ポリオウイルス保管施設の効果的調査手法の検討を継続した。野生株ポリオウイルスの実験室封じ込めに関するWHO世界的行動計画第2版全編の日本語訳を行い、ポリオウイルス実験室封じ込めの重要性について周知を図った。2005年のラオスのAFP症例から2型VDPVを検出しVDPVが健常児からも検出されたことから、ワクチン接種率が低い地域におけるVDPV流行のリスクを示した。日本のポリオ感染源調査で健常児から2型VDPVが検出され、様々なサーベイランスを組み合わせることにより、VDPV検出感度を向上させることが重要であることを示した。ヒトの自然感染におけるウイルスの排出やウイルスの個体間伝播について研究するため、経口感染効率が上昇したPVR-tg/Ifnar-knockout マウスを作成し、一定の条件下ではすべてのマウスに経口感染を成立させられることを見出した。
      結論
            ポリオウイルス保管調査のための効率的かつより精度の高い調査手法を検討し、一部、追加調査を実施した。野生株ポリオウイルスの実験室封じ込めに関するWHO行動計画を基盤情報として、実験室封じ込めの重要性について周知を図った。様々なサーベイランスを組み合わせることにより、感度の高いポリオウイルス伝播の検出が可能であることを示した。ポリオウイルス伝播を解析するためのin vivo実験系の開発を行い有望な感染モデルを見いだした。
      公開日・更新日
公開日
          2006-04-11
        更新日
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